
ホーチミン旅行で、少し得する交通ニュースがあります。
ホーチミン市では現在、市内を走る多くの路線バスを無料で利用できます。
対象はベトナム人やホーチミン市民だけではありません。
日本人を含む外国人旅行者も、対象路線であれば無料で乗車できます。
ただし、実際にバスへ乗ると、係員からクレジットカードやスマートフォンを端末へタッチするよう案内される場合があります。
無料なのにカードをタッチすると聞けば、
「本当に料金はかからないの?」
「あとからカードへ請求されない?」
「ベトナムの身分証明書が必要なの?」
「日本で発行されたカードでも使える?」
と疑問に思いますよね。
結論から言うと、対応する銀行カードやスマートフォンをタッチするのは、運賃を支払うためではありません。
どの路線を何人が利用したのかを記録するための乗車確認です。
カードをタッチしても、運賃は引き落とされないとホーチミン市公共交通管理センターが説明しています。
今回は、外国人旅行者がホーチミンの無料バスへ乗る方法、カードをタッチする理由、無料対象外のバス、空港方面の路線について紹介します。
動画でも解説しています
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。
今回のホーチミン無料バスについては、YouTubeでも解説しています。
動画で確認したい方はこちらをご覧ください。
ホーチミンの市内バス134路線が無料
ホーチミン市では、2026年7月1日から12月31日まで、指定された市内バス134路線の運賃を無料にしています。
対象となるのは、市の予算で運賃を全額支援する路線です。
134路線の内訳は、以前から公的支援を受けていた路線と、独立採算で運行していた路線で構成されています。
無料化の主な目的は、公共交通を利用する人を増やすことです。
ホーチミンではバイクや自家用車による移動が多いため、市は無料化をきっかけにバスへ乗り換える人を増やし、交通渋滞や大気汚染の軽減につなげようとしています。
無料化開始から7日間の利用者数は約188万人。
前年同期と比べて33%増加しました。
特に、市内中心部を走る路線や、学校、大学、職場が多い地域へ向かう路線で利用者が増えています。
日本人を含む外国人旅行者も無料
今回の無料制度は、ホーチミン市民だけを対象にしたものではありません。
ホーチミン市公共交通管理センターは、制度について、
「居住地や国籍を問わず、すべての乗客が対象」
と案内しています。
そのため、対象路線であれば、次のような人も無料で利用できます。
- ベトナム人
- ホーチミン市以外に住む人
- ベトナム在住の外国人
- 短期滞在の外国人旅行者
- 日本から来た観光客
外国人旅行者が利用する際に、ホテルの宿泊証明やベトナムの住所を提示する必要はありません。
現在の運用では、ベトナムの国民身分証明書を持っていない外国人も、銀行カードなどを使って乗車記録を残せます。
無料なのに、なぜカードをタッチするの?

バスへ乗ると、車内の係員からカードやスマートフォンを読み取り端末へタッチするよう求められる場合があります。
この操作は、料金の支払いではありません。
市が把握したいのは、次のような情報です。
- 各路線の利用者数
- 利用者が多い時間帯
- 混雑している路線
- 増便が必要な区間
- 車両を減らせる時間帯
- 無料化政策の効果
カードをタッチして乗車記録を集めることで、路線ごとの需要を分析し、運行本数や車両の配置を調整します。
ホーチミン市公共交通管理センターは、カードやQRコードによる確認は行政手続きではなく、乗車人数を記録するための数秒程度の操作だと説明しています。
また、カードをタッチしても銀行口座から料金は引き落とされません。
遊園地の無料イベントで、入場者数を記録するためにチケットを読み取る仕組みに近いと考えると分かりやすいでしょう。
入場料は無料ですが、何人が利用したのかを確認するために記録を残すわけです。
日本発行のVisaやMastercardも使える?
外国人旅行者は、EMV規格に対応した銀行カードを乗車確認に利用できます。
具体的には、タッチ決済に対応した次のカードが案内されています。
- Visa
- Mastercard
カード表面に、電波のようなタッチ決済マークが付いているものが目安です。
また、対応カードを登録した次のスマートフォン決済も利用できます。
- Apple Pay
- Google Wallet
- Samsung Pay
乗車時に、車内に設置された読み取り端末へカードまたはスマートフォンをタッチします。
ただし、日本で発行されたすべてのカードが必ず正常に読み取れるとは限りません。
カード会社側の海外利用設定、カードの仕様、端末との相性、通信エラーなどによって反応しない可能性があります。
カードが反応しない場合は、何度も別の場所へタッチするのではなく、車内の係員へ伝えてください。
カードが反応しなくても乗車できる?
ホーチミン市公共交通管理センターは、外国人旅行者が技術的な問題などでカードによる確認を完了できない場合も、係員が柔軟に対応し、無料制度を利用できるようにすると説明しています。
つまり、カードが一度読み取れなかっただけで、必ずバスを降ろされるという制度ではありません。
反応しない場合は、係員へ、
Free bus?
My card doesn’t work.
などと伝えてください。
係員によっては英語が十分に通じない可能性があります。
その場合は、読み取り端末とカードを指して、反応しなかったことを身ぶりで伝える方法もあります。
翻訳アプリで、
My card could not be read. Can I still use the free bus?
と表示するのもよいでしょう。
市は外国人旅行者への対応として、英語案内、イラストによる説明、スタッフの語学対応などを強化する方針です。
現在のカードタッチは「本人確認」ではなく「乗車確認」
無料制度は、当初から2段階で実施する計画になっています。
2026年7月1日~9月30日
この期間は、カードや身分証明書による確認は必須ではありません。
市は利用者へ操作を推奨していますが、確認できないことを理由に乗車を拒否しないようスタッフへ案内しています。
2026年10月1日~12月31日
この期間は、無料バスの利用時に乗車記録の確認が必須になる予定です。
確認方法として、ベトナムの身分証明書、VNeID、銀行カード、電子ウォレット、MultiGoなどが予定されています。
外国人旅行者については、ベトナムの身分証明書を提示する必要はなく、EMV対応カードやスマートフォン決済を使えると説明されています。
現在カードをタッチするよう案内されることがあっても、旅行者の住所や国籍を厳格に審査する手続きではありません。
本人確認というより、何人目の乗客かを記録する乗車確認です。
すべてのバスが無料ではない

ホーチミン市内を走るバスが、すべて無料になったわけではありません。
対象は、市が指定した134路線です。
次のバスは、原則として無料制度の対象外です。
- 省をまたぐ都市間・省間バス
- 屋根のない2階建て観光バス
- 都市中心部や観光地と空港を結ぶ専用連絡バス
- 他の省や都市を経由し、都市間バスに近い運行をする路線
例えば、ホーチミン市とバリア=ブンタウ方面を結び、途中でドンナイ市を通過する172番は対象外とされています。
バスの車体だけを見ても、無料対象か判断できない場合があります。
利用前に、路線番号と目的地をMultiGoなどで確認してください。
空港へ行くバスは無料?
タンソンニャット空港方面のバスは、路線によって扱いが異なります。
中心部と空港を結ぶ専用の空港連絡バスは、無料制度の対象外とされています。
一方、通常の市内路線として空港を経由する152番は、無料対象となる134路線の一覧に含まれています。
152番は、チュンソン住宅地区からベンタイン周辺を通り、タンソンニャット空港へ向かう路線です。
つまり、
「空港方面のバスはすべて無料」ではありません。
同時に、
「空港へ行くバスはすべて有料」でもありません。
専用の空港連絡バスなのか、通常の市内バスが空港を経由するのかによって扱いが異なります。
空港でバスへ乗る際は、車体の色や見た目だけで判断せず、必ず路線番号を確認しましょう。
MultiGoで無料路線と停留所を確認
ホーチミン市のバス路線を調べる際は、MultiGoというアプリやデジタルサービスを利用できます。
MultiGoでは、主に次の情報を確認できます。
- バス路線
- 停留所
- 目的地までの経路
- 無料対象路線
- 乗車時の確認方法
外国人旅行者向けに英語表示も追加されています。
Googleマップでもバスの経路が表示される場合がありますが、運行変更や無料対象路線については、現地の公式サービスも併用した方が安心です。
乗車前には、少なくとも次の3つを確認してください。
- 路線番号
- 進行方向
- 降りる停留所
ホーチミンのバスは、同じ方向へ向かうように見えても、途中から大きく違う道路へ進むことがあります。
「中心部へ行きそうだから」という感覚だけで乗らないようにしましょう。
ホーチミン旅行で無料バスを使うメリット
日本人旅行者の多くは、ホーチミン市内の移動にGrabやタクシーを使うと思います。
Grabは目的地をアプリで指定でき、ホテルや観光施設の前まで移動できるため非常に便利です。
一方、バスには次のようなメリットがあります。
- 現地の人が利用する日常の交通を体験できる
- エアコンのある車内で移動できる
- 渋滞しても料金が増えない
- 現在は対象路線の運賃が無料
- 窓から街の景色を見られる
- 乗り間違えても追加の運賃がかからない
有名観光地を効率よく回るだけでなく、普段のホーチミンを見てみたい人には面白い移動手段です。
急いでいるときや大きな荷物がある場合は注意
無料だからといって、すべての旅行でバスが最適とは限りません。
ホーチミンのバスには、次のような注意点があります。
- 道路渋滞で到着時間を予測しにくい
- 降りる場所が分かりにくいことがある
- 英語が通じない場合がある
- 混雑時には座れない
- 大きなスーツケースを持って乗りにくい
- 停留所から目的地まで歩く必要がある
帰国便に合わせて空港へ向かう場合や、時間の決まったツアーへ参加する場合は、Grabやタクシーの方が安心なこともあります。
特に大きな荷物がある場合は、混雑時間帯の市内バスを避けた方がよいでしょう。
無料化はバスを試すきっかけになる
個人的に、今回の無料制度の大きな意味は、交通費が安くなることだけではないと思います。
これまでバスへ乗ったことがない人が、
「無料なら一度利用してみよう」
と思えることです。
ホーチミンでは、バスについて、
- どこへ行くのか分からない
- 乗り方が難しそう
- 小銭を用意するのが面倒
- 降りる場所が分からない
という印象を持つ人もいます。
無料であれば、乗る路線を間違えたとしても、運賃上の損失はありません。
違う方向へ行ってしまった場合も、別の無料対象バスへ乗り換えられます。
外国人旅行者にとっても、市内バスを試すハードルはかなり下がると思います。
ただし、本当に使いやすい公共交通にするためには、無料化だけでなく、英語案内、正確な運行情報、分かりやすい路線図、使いやすいアプリ、安全で清潔な車内なども重要です。
まとめ:外国人も無料だが対象路線を確認
今回は、ホーチミン市の無料バスを日本人を含む外国人旅行者も利用できるというニュースを紹介しました。
無料期間は、2026年7月1日から12月31日まで。
対象は、市が指定した市内バス134路線です。
外国人旅行者は、次の方法で乗車記録を残せます。
- EMV対応のVisa
- EMV対応のMastercard
- Apple Pay
- Google Wallet
- Samsung Pay
カードやスマートフォンをタッチするのは、運賃を支払うためではありません。
路線ごとの利用者数を記録し、運行本数や車両配置を改善するためです。
タッチしても銀行口座から料金は引き落とされません。
現在の運用では、カードが読み取れない場合も、係員が旅行者を無料で利用できるよう柔軟に対応すると説明されています。
ただし、次のバスは原則として対象外です。
- 省をまたぐ路線
- 2階建て観光バス
- 専用空港連絡バス
- 都市間バスに近い路線
空港方面では、通常の市内路線152番が無料対象に含まれていますが、空港へ向かうすべてのバスが無料というわけではありません。
利用前に、MultiGoなどで路線番号、行き先、無料対象かどうかを確認してください。
ホーチミンへ行く予定がある方は、時間に余裕がある日に、無料バスで街を移動してみるのも面白いと思います。
皆さんは、ホーチミン旅行で市内バスを使ったことがありますか?
カードのタッチ方法や、分かりにくかった路線、旅行者でも使いやすかったバスなどがあれば、ぜひコメントで教えてください。
参考情報
出典:ホーチミン市公共交通管理センター「外国人旅行者の無料バス利用方法」
出典:ホーチミン市公共交通管理センター「無料バス乗車時の確認について」
出典:ベトナム通信社「ホーチミン市の無料バス134路線」
出典:Tuổi Trẻ「外国人旅行者は無料バスをどのように利用するのか」
出典:Sài Gòn Giải Phóng「乗車記録を行う目的と外国人の利用方法」
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。



