タイでパスポートを紛失したらどうする?3カ月で54件の相談と帰国までの手続きを解説

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タイへ旅行する方に、出発前に知っておいてほしい注意情報があります。

在タイ日本国大使館によると、2026年4月から6月までの3カ月間に、パスポートの紛失・盗難に関する相談が54件寄せられました。

このうち、盗難として報告されたものは8件です。

単純計算では、月平均18件の相談が寄せられたことになります。大使館は、相談件数が引き続き高い水準で推移しているとして注意を呼びかけています。

パスポートをなくすと、

  • 予定していた飛行機に乗れない
  • タイ警察で証明書を取得する
  • 日本大使館で新しい書類を申請する
  • タイ入国管理局で入国記録を再認証してもらう
  • 航空券やホテルを変更する

といった対応が必要になる可能性があります。

旅行中のトラブルとしては、時間的にも金銭的にも負担が大きいものです。

今回は、タイでパスポートを紛失・盗難された場合に何をすればよいのか、新しいパスポートと「帰国のための渡航書」の違い、必要書類、旅行前の備えについて解説します。

動画でも解説しています

この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。

タイでパスポートを紛失した場合の対応については、YouTubeでも解説しています。

動画で確認したい方はこちらをご覧ください。

3カ月で紛失・盗難相談が54件

在タイ日本国大使館が2026年7月16日に公表した「海外安全対策情報」によると、同年4月から6月までに、パスポートの紛失・盗難に関する相談が54件ありました。

そのうち盗難は8件です。

ここで注意したいのは、54件すべてがスリや窃盗による被害ではないことです。

大使館の発表上、盗難として分類された相談は8件です。残りは、紛失として扱われた相談になります。

旅行中には、犯罪被害だけでなく、

  • ホテルや空港での置き忘れ
  • セーフティーボックスからの取り忘れ
  • 両替所やSIMカード売り場での置き忘れ
  • バッグ内の別のポケットへの入れ間違い
  • ホテル移動時の荷物への入れ忘れ

なども考えられます。

盗まれないための防犯対策と同時に、自分で置き忘れないための管理も必要です。

パスポートをバッグの外ポケットへ入れない

在タイ日本国大使館は、混雑した場所ではバッグやリュックを体の前に持ち、財布やスマートフォンなどを、ズボンの後ろポケットやバッグの取り出しやすい場所へ入れないよう案内しています。

パスポートについても、第三者が取り出しやすいリュックの外ポケットなどへ無造作に入れないよう求めています。

旅行中は、

「ホテルのチェックインですぐ使うから」

「空港で出したばかりだから」

と、パスポートを取り出しやすい場所へ入れたくなるかもしれません。

しかし、自分が簡単に取り出せる場所は、スリにとっても取り出しやすい場所です。

特に次のような場所では注意してください。

  • BTSやMRTの車内・駅
  • ナイトマーケット
  • ショッピングモール
  • 観光地の行列
  • 空港
  • 大型イベント会場
  • 人が密集する歩道やエスカレーター

パスポートを使った後は、その都度、決めた収納場所へ戻す習慣をつけるのが有効です。

パスポートが見当たらないときに最初に確認すること

パスポートが見当たらない場合は、まず落ち着いて直前の行動を確認してください。

例えば、

  • ホテルのセーフティーボックス
  • フロントへ預けたままになっていないか
  • チェックイン時に受け取ったか
  • 空港や両替所でバッグへ戻したか
  • 別のポーチやスーツケースへ入れていないか
  • 同行者が預かっていないか

を確認します。

ホテル、店舗、空港、利用した車両など、置き忘れた可能性のある場所にも早めに連絡してください。

ただし、探しても見つからない場合や、盗難の可能性がある場合は、いつまでも自分だけで探し続けず、タイ警察と日本大使館へ相談する必要があります。

最初の正式手続きはタイ警察のポリスレポート

タイでパスポートを紛失・盗難された場合、まずタイ警察へ届け出て、紛失・盗難証明書、いわゆるポリスレポートを取得します。

このポリスレポートは、その後の日本大使館とタイ入国管理局での手続きに必要です。

店内や空港などで紛失した場合は、施設のスタッフや警備員にも相談してください。

防犯カメラの映像や拾得物の記録が残っている可能性があります。

盗難の可能性がある場合でも、自分で犯人を追いかけるのではなく、安全を確保して警察へ相談してください。

警察の次は日本大使館・総領事館

ポリスレポートを取得した後は、在タイ日本国大使館などで、次のいずれかを申請します。

  1. 新しいパスポート
  2. 帰国のための渡航書

どちらを申請するかは、その後の旅程によって異なります。

新しいパスポートが必要になりやすい人

  • タイでの滞在を継続する
  • タイから日本以外の国へ入国する
  • 海外旅行を続ける
  • タイへ再入国する予定がある
  • 長期滞在者として今後もパスポートが必要

帰国のための渡航書を検討する人

  • 旅行を中止して日本へ帰る
  • 新しいパスポートの発給を待てない
  • 原則として日本への帰国だけが目的

帰国予定、航空券、滞在資格などを大使館へ伝え、どちらの手続きが適切か確認してください。

新しいパスポートはすぐには発行されない

現在、在外公館で申請されたパスポートは日本国内で作成され、申請した大使館や総領事館へ配送されます。

在タイ日本国大使館は、2025年3月24日以降の申請について、交付まで1カ月程度かかり、期間を短縮することはできないと案内しています。

そのため、

「今日なくして、明日新しいパスポートを受け取る」

という対応は原則として期待できません。

短期旅行者がタイで約1カ月待つのは、通常は現実的ではないでしょう。

日本へ早急に帰る必要がある場合は、「帰国のための渡航書」について大使館へ相談することになります。

ただし、帰国のための渡航書も、申請した瞬間に必ず交付されるものではありません。

交付日は、必要書類の確認と担当者との面接を踏まえて決定されます。

新しいパスポートの申請に必要なもの

パスポートを紛失・盗難し、タイで新しいパスポートを申請する場合、在タイ日本国大使館は次の書類を案内しています。

  • タイ警察発行の紛失・盗難証明書
  • 縦4.5センチ、横3.5センチの写真2枚
  • 発行後6カ月以内の戸籍謄本原本、または電子戸籍パス
  • 紛失一般旅券等届出書
  • 一般旅券発給申請書
  • 手数料

申請と交付の両方で本人が大使館へ行く必要があります。子どもの場合も同様です。

戸籍謄本をタイで用意できない場合、日本にいる家族などへ取得を依頼する必要が生じる可能性があります。

電子戸籍パスを利用できる場合もありますが、緊急時に初めて調べるのではなく、制度の存在を事前に知っておくと対応しやすくなります。

帰国のための渡航書に必要なもの

帰国のための渡航書を申請する場合、主に次の書類が必要です。

  • タイ警察発行の紛失・盗難証明書
  • 縦4.5センチ、横3.5センチの写真2枚
  • 日本への帰国便を確認できるEチケットなど
  • 紛失一般旅券等届出書
  • 渡航書発給申請書
  • 戸籍謄本、本籍地記載の住民票、電子戸籍パスなどの国籍確認書類
  • 手数料

国籍確認書類については、写真データなどによる申請が認められる場合もありますが、帰国後に原本を郵送する必要があります。

帰国のための渡航書の交付日は、担当者との面接後に決まります。

帰国のための渡航書は普通のパスポートではない

帰国のための渡航書は、名称のとおり、日本へ帰国するための書類です。

新しいパスポートと同じように、自由に複数の国へ旅行するためのものではありません。

在タイ日本国大使館は、渡航書で帰国する場合、第三国への立ち寄りはトランジットのみで、その国へ入国することはできないと案内しています。

例えば、

「タイからシンガポールへ入国し、1泊してから日本へ帰る」

という旅程は、そのまま利用できません。

帰国便を直行便へ変更するか、経由地のトランジットエリア内だけで乗り継げる便に変更する必要があります。

別々に航空券を購入している場合、経由地で入国しなければ乗り継げず、タイ出発時に搭乗を断られる可能性もあります。

航空会社へ事前に確認してください。

渡航書の有効期限は帰国予定日に合わせて設定

帰国のための渡航書は、長期間使える書類ではありません。

在タイ日本国大使館によると、有効期限は帰国予定日に合わせて設定され、通常は帰国予定日の2日後ごろが期限になります。

そのため、申請前に帰国便を予約しておく必要があります。

航空券を変更する可能性がある場合は、大使館と航空会社の両方へ相談してください。

大使館で書類を受け取っても手続きは終わらない

新しいパスポートや帰国のための渡航書を受け取った後も、すぐ空港へ行けばよいわけではありません。

タイ入国管理局で、入国記録や現在の滞在資格について手続きを行う必要があります。

在タイ日本国大使館は、次の原本を大切に保管するよう案内しています。

  • タイ警察発行の紛失・盗難証明書
  • 日本大使館が発行するタイ入管宛てサポートレター

これらを持って、本人がタイ入国管理局へ出頭します。

タイ入管で再認証を受けることで、入国印と現在有効な滞在資格の情報が新しい書類へ転記されます。

この手続きを完了できなければ、予定どおりタイから出国できない可能性があります。

長期滞在者が渡航書で帰国する場合の注意

タイで長期滞在している人が、帰国のための渡航書を使って日本へ帰国する場合は特に注意が必要です。

大使館によると、タイ側では単純出国として扱われ、これまで持っていた滞在資格や再入国許可が失効します。

その後タイへ戻る場合は、日本で新しいパスポートを取得し、必要なビザや労働許可関係の手続きを改めて行う必要があります。

短期旅行者と長期滞在者では影響が異なるため、自己判断せず大使館とタイ入管へ確認してください。

ポリスレポートを途中でなくさない

ポリスレポートは、日本大使館での申請だけでなく、その後のタイ入国管理局での手続きにも必要です。

大使館へ提出した、あるいは窓口で確認されたからといって、捨てないでください。

大使館から受け取るタイ入管宛てのサポートレターと一緒に、最後まで安全に保管してください。

紛失対応中にポリスレポートまでなくすと、さらに手続きが複雑になります。

あとから古いパスポートが見つかっても使えない

「紛失一般旅券等届出書」を提出すると、紛失・盗難されたパスポートは失効します。

その後、バッグの奥やホテルの金庫から見つかったとしても、再び使用することはできません。

見つかったからといって、そのまま空港の出入国審査で使わないでください。

失効情報が登録されているため、重大な問題になる可能性があります。

見つかった場合は、大使館の案内に従って処理してください。

フライト直前に気づいた場合

空港へ向かう直前やチェックイン時にパスポートがないことへ気づいた場合、予定便へ乗れる可能性は低くなります。

パスポートの写真やコピーだけで国際線へ搭乗し、出入国審査を通過することはできません。

まず航空会社へ事情を説明し、便の変更条件を確認してください。

同時に、

  • タイ警察
  • 在タイ日本国大使館
  • 海外旅行保険会社
  • ホテルや旅行会社

へ早めに連絡します。

大使館での確認、渡航書の申請、タイ入管での手続きが必要になるため、当日中にすべて完了するとは限りません。

旅行前に保存しておきたい情報

パスポート紛失への備えとして、旅行前に次の情報を控えておくと、状況を説明しやすくなります。

  • パスポート番号
  • 発行日
  • 有効期限
  • 顔写真ページの画像
  • 日本の本籍地
  • 帰国便のEチケット
  • 海外旅行保険の連絡先
  • 在タイ日本国大使館の連絡先
  • 家族や同行者の連絡先

ただし、これらの画像やコピーは、パスポートそのものの代わりにはなりません。

航空機への搭乗や出入国審査に使えるものではなく、本人情報や旅程を確認する際の補助資料です。

パスポート本体と同じバッグにだけ保管すると、バッグを紛失した際にすべて失うことになります。

安全なクラウド、家族との共有、別の荷物など、複数の方法に分けて保管してください。

パスポートを出したら必ず同じ場所へ戻す

パスポート盗難への警戒はしていても、自分の置き忘れは意外と起こりやすいものです。

旅行中にパスポートを提示する場面は少なくありません。

  • ホテルのチェックイン
  • 両替
  • SIMカード購入
  • 空港のカウンター
  • 免税店
  • 航空券やツアーの手続き
  • 医療機関

パスポートを提示した後に、スマートフォン、財布、荷物、会話などへ気を取られると、カウンターへ置いたまま移動する可能性があります。

対策として有効なのは、

「パスポートを使ったら、必ず同じ収納場所へ戻す」

という動作を習慣にすることです。

戻したことを確認してから、その場所を離れてください。

旅行中に持ち歩くべきか、ホテルへ置くべきか

パスポートの保管方法は、滞在先や行動内容によって判断が異なります。

常に原本が必要になる場面もあれば、安全なホテルの金庫へ保管した方が盗難リスクを抑えられる場合もあります。

重要なのは、

  • どこに保管したかを毎回把握する
  • 取り出しやすい外ポケットへ入れない
  • 宿泊施設の安全性を確認する
  • 必要な場面で原本を提示できるようにする

ことです。

現地当局からパスポート提示を求められる可能性もあるため、具体的な携帯方法については、在タイ日本国大使館や現地当局の最新案内も確認してください。

紛失時の手続きを簡単に整理

タイでパスポートを紛失・盗難された場合の基本的な流れは次のとおりです。

1.直前に利用した場所を確認する

ホテル、空港、両替所、店舗、車両などへ確認します。

2.タイ警察でポリスレポートを取得する

紛失・盗難の証明書を受け取ります。

3.日本大使館・総領事館で申請する

新しいパスポート、または帰国のための渡航書を申請します。

4.航空会社や保険会社へ連絡する

便や宿泊の変更、保険の補償内容を確認します。

5.書類受領後にタイ入管で手続きする

ポリスレポートと大使館のサポートレターを持参し、入国記録などを再認証してもらいます。

6.タイから出国する

タイ入管で必要な処理が完了してから出国します。

まとめ:パスポート紛失は警察・大使館・タイ入管の手続きが必要

今回は、タイで日本人のパスポート紛失・盗難相談が、2026年4月から6月までの3カ月間に54件寄せられたという情報を紹介しました。

このうち盗難は8件で、大使館は相談件数が高い水準で推移しているとして注意を呼びかけています。

旅行中は、

  • バッグを体の前に持つ
  • パスポートをリュックの外ポケットへ入れない
  • 財布やスマートフォンを取り出しやすい場所へ入れない
  • パスポートを使ったら決めた場所へ戻す
  • ホテルを出る前に金庫を確認する

ことを意識してください。

紛失・盗難に遭った場合の基本的な流れは、

タイ警察でポリスレポートを取得する。

日本大使館で新しいパスポートか帰国のための渡航書を申請する。

書類を受け取った後、タイ入国管理局で手続きを行う。

となります。

新しいパスポートは、現在、申請から交付まで1カ月程度必要です。

帰国のための渡航書は日本へ帰るための書類であり、第三国へ自由に入国できる普通のパスポートではありません。

パスポートは、単なる旅行用品や貴重品ではありません。

海外で自分の国籍と身元を証明し、出入国するための最重要書類です。

旅行の残り時間を警察、大使館、入管の手続きで失わないためにも、使用後は必ず決めた場所へ戻し、厳重に管理してください。

参考情報

出典:在タイ日本国大使館「海外安全対策情報(令和8年度第1四半期)」

出典:在タイ日本国大使館「旅券紛失/盗難における手続」

出典:在タイ日本国大使館「パスポート(一般旅券)手続一覧」

出典:在タイ日本国大使館「旅券・帰国のための渡航書に関するFAQ」

出典:外務省「パスポート申請のポイント」

この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。

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