
ホーチミンの街で今、少し不思議なニュースが相次いでいます。
まず一つ目。
サイゴン川沿いへ行くと、写真1枚2万ドンほどから、照明や編集付きの本格的な写真を撮ってもらえるサービスが人気になっています。
二つ目。
ある飲食店が、
「宝くじに当たったので店を閉めます」
と発信し、SNSで大きな話題になりました。
三つ目。
これまで音楽を流していた一部のカフェが、著作権料や法的リスクを心配し、曲を変えたり、音楽を止めたりしています。
そして四つ目。
ガソリンや軽油の価格が下がっても、フォーやブン、庶民的な食堂の価格はなかなか下がりません。
写真、宝くじ、音楽、フォー。
一見すると、まったく関係のないニュースに見えます。
しかし、この4つを並べてみると、現在のホーチミンがどのように変化しているのかが見えてきます。
若い人たちは、SNSに載せる写真へお金を使う。
店はSNSへの投稿一つで、一気に有名になる。
カフェで音楽を流すだけでも、権利やコストを考えなければならない。
そして、一度上がった生活費や飲食代は、簡単には元へ戻らない。
今回は、観光名所だけを歩いていても分かりにくい、現在のホーチミンの日常について紹介します。
動画でも解説しています
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。
今回の4つのニュースについては、YouTubeでも解説しています。
動画で確認したい方はこちらをご覧ください。
トゥーティエム川沿いが夜の屋外フォトスタジオに

一つ目は、ホーチミン市のトゥーティエム川沿いで人気になっている写真撮影サービスです。
トゥーティエムは、ホーチミン中心部からサイゴン川を挟んだ対岸にあるエリア。
川沿いからは、中心部の高層ビルや夜景を見渡すことができます。
現在、この川沿いでは夜になると、カメラマンが照明や撮影機材を並べ、その場で写真を撮るサービスを提供しています。
利用者が撮影場所を選ぶと、カメラマンが立ち位置やポーズを提案。
撮影した写真はその場で色などを調整し、数分後にスマートフォンへ送ってもらえる仕組みです。
報道では、料金は写真1枚あたり約2万ドンと紹介されています。
日本円では為替によって変動しますが、100円台ほどです。
照明を使う。
撮影する。
ポーズを教える。
写真を編集する。
そして、完成した写真をスマートフォンへ送る。
ここまで含まれて1枚2万ドン程度であれば、日本人旅行者の感覚ではかなり安く感じると思います。
公共スペースが夜だけ即席のスタジオになる
このサービスで面白いのは、専用の写真館で営業しているわけではないところです。
撮影場所になっているのは、サイゴン川沿いの公共スペース。
普段は散歩や運動、夜景鑑賞などに利用されている場所が、夜になると即席の屋外フォトスタジオへ変わります。
週末や夜景がきれいに見える時間帯には、川沿いの撮影スポットで数十分待つ人もいます。
若者やカップルだけでなく、友人グループ、家族、観光客なども利用していると報じられています。
ホーチミンへ行ったことがある人なら、ベトナムの若い人たちが写真を撮ることにかなり時間をかけている場面を見たことがあるかもしれません。
カフェで撮る。
花の前で撮る。
新しい建物の前で撮る。
街中の少し変わった壁でも撮る。
友人同士でポーズを変えながら、何枚も撮影する。
写真を撮ること自体が、その場所へ行く目的の一つになっています。
トゥーティエム川沿いの撮影サービスは、こうしたSNS時代の需要をうまく商売に変えた例だと思います。
専用の店舗を借りなくても、夜景と公共スペースがあればサービスを提供できる。
利用者も、高額な撮影プランを予約する必要はありません。
撮ってほしいときに立ち寄り、必要な枚数だけ購入できる。
この手軽さが人気の理由なのでしょう。
ホーチミン旅行の記念撮影にも使えそう
報道では、ホーチミンを訪れた観光客もこの撮影サービスを利用しています。
旅行中は、景色の写真はたくさん残っても、自分が写っている写真は意外と少なくなります。
一人旅の場合は、建物や料理の写真ばかり。
二人で旅行しても、一人ずつ撮影した写真ばかりになりがちです。
二人で写っている写真は、自撮りか、通りかかった人に頼んだ数枚だけ。
そのため、現地のカメラマンに夜景を背景にして撮ってもらえるのであれば、旅行の記念として利用するのも面白いと思います。
ただし、利用する場合は撮影前に料金とサービス内容を確認してください。
確認したいのは、主に次のような点です。
- 写真1枚あたりの料金
- 撮影枚数
- 購入できる写真の枚数
- 撮影した全データを受け取れるか
- 編集済みの写真だけを受け取るのか
- データの受け取り方法
- 支払い方法
- 撮り直しが可能か
「2万ドンから」という表示があっても、選ぶ枚数や編集内容によって合計金額が変わる可能性があります。
撮影前に、
「最終的に何枚で、合計いくらか」
を確認しておくと安心です。
「宝くじに当たったので閉店します」という飲食店
二つ目は、ホーチミン市内の飲食店が発信した、少し変わった閉店のお知らせです。
話題になったのは、ビンディン地方の料理であるバインホイや豚の内臓粥などを提供していた飲食店。
店のSNSアカウントに、
「宝くじに当たったので、店は営業を終了しました」
という趣旨の投稿が掲載されました。
一般的な飲食店の閉店案内では、
「諸事情により閉店します」
「長い間ご利用いただき、ありがとうございました」
といった表現が使われます。
ところが今回は、
「宝くじに当たったから、もう営業しない」
という、非常に分かりやすく夢のある理由です。
この投稿はSNSで急速に拡散。
報道によると、閉店告知の画像は60万回以上閲覧・共有され、店のアカウントはコメント欄でも当選したと主張していました。
さらにネット上では、
- 特別賞の宝くじ8枚に当選した
- 閉店前に15日間、料理を無料提供した
- 店を閉めた後は故郷へ帰った
- もう働く必要がなくなった
といった話が広がりました。
物語だけを聞くと、かなり夢がありますよね。
宝くじ当選は第三者によって確認されていない
ただし、このニュースには重要な注意点があります。
店主が宝くじに当たったことは、第三者によって確認されていません。
報道機関が現地を訪れた時点で、以前の店はすでに営業を終了しており、看板も別の飲食店のものへ変わっていました。
新たにその場所を借りた人は、以前の店主が妻の出産後に家族の世話をするため営業をやめたと聞いた一方、宝くじについては聞いていないと説明しています。
近隣の飲食店経営者からも、
「宝くじに当たった話は聞いていない」
「商売がうまくいかなかったため閉店したと思っていた」
といった証言が出ています。
店主本人は、店が営業を終了したことは認めています。
別の取材では当選したと話し、ホーチミン市内の宝くじ販売店で換金したとも説明しています。
しかし、当選券の写真や換金を証明する資料などは示されていません。
したがって、このニュースを正確に説明すると、
「店主が宝くじに当たったことを理由に閉店したと主張し、その投稿がSNSで話題になった。ただし、当選自体を裏付ける資料は公開されていない」
ということになります。
「宝くじに当たった店が閉店した」と断定するのではなく、
当選したという店主側の説明が話題になった
と理解するのが適切でしょう。
なぜ真偽不明でも大きな話題になるのか
当選が第三者によって確認されていないにもかかわらず、なぜこの話は大きく拡散したのでしょうか。
理由の一つは、多くの人が一度は同じことを考えたことがあるからだと思います。
「もし宝くじで大金が当たったら、今の仕事を辞めるか」
「会社へ行かなくなるか」
「自分の店を閉めるか」
「それとも生活を変えず、今まで通り働くか」
店主の話が本当かどうかとは別に、
「宝くじに当たったので、明日から働きません」
という展開は、誰にでも理解できる夢です。
さらに、
「閉店前に15日間無料で料理を提供した」
という話まで加わっています。
宝くじに当選する。
常連客へ料理を無料で振る舞う。
店を閉める。
そして故郷へ帰る。
SNSで広がる物語として、非常に完成されています。
そのため、
「本当なのか」
「宣伝ではないか」
「自分もそうしたい」
「うらやましい」
と、多くの人が反応したのでしょう。
SNSニュースは楽しみながら少し疑って見る
個人的には、こうしたSNS発のニュースは、半分は楽しみながら、半分は疑って見るくらいがちょうどいいと思います。
今回確認できるのは、
- 店のSNSに宝くじ当選を理由とする閉店案内が出た
- 店は実際に閉店している
- 店主側は当選したと主張している
- 店舗跡は別の事業者へ変わった
という点です。
一方で確認できていないのは、
- 本当に特別賞8枚に当選したか
- 実際の当選金額
- 当選券の写真
- 換金したことを示す資料
- 本当に15日間無料で料理を提供したか
といった点です。
そのため、
「絶対に嘘だ」
とも断定できません。
反対に、
「特別賞8枚への当選が事実として証明された」
とも言えません。
確認できた事実と、店主の主張、SNS上で広がった話を分けて考えることが重要です。
著作権を心配してカフェから音楽が消える

三つ目は、ホーチミンを含むベトナムの一部のカフェや飲食店が、店内で流す音楽を変更したり、音楽自体を止めたりしているというニュースです。
ホーチミンのカフェでは、飲み物だけでなく店内の雰囲気も重要です。
照明。
椅子やテーブル。
植物。
店内の香り。
エアコン。
そして、BGM。
音楽は、客がそのカフェをどのように感じるかを左右する要素の一つです。
ところが、一部の店舗では著作権や著作隣接権に関する費用、手続き、罰則への不安から、
- ベトナムの音楽を止める
- 外国の音楽へ変更する
- AIで生成した音楽を流す
- 著作権フリーと表示された音源を利用する
- 歌詞のない音楽へ変更する
- 店内を無音にする
といった対応が見られています。
実際の報道では、何をどのように処理すればよいか分からないため、一時的に音楽を止めて様子を見る店舗が紹介されています。
AI音楽や著作権フリーとされるインストゥルメンタル音源へ全面的に切り替えたホーチミン市内のカフェもあります。
SpotifyやYouTube Premiumに払っていても店舗利用は別
日本人にとっても分かりにくいのが、
「SpotifyやYouTube Premiumへ毎月料金を払っていれば、店内で音楽を流してもよいのでは?」
という点です。
しかし、個人が自分で音楽を楽しむための契約と、店舗が客へのサービスとして音楽を流す商業利用は別です。
ベトナムの著作権当局によると、商業目的で公表済みの録音物や録画物を利用する場合、利用者は権利者に事前許可を求める必要がないケースでも、著作権者や著作隣接権者へ対価を支払う必要があります。
対象となる商業活動には、レストランやカフェなども含まれます。
つまり、
「Spotify Premiumの利用料を支払っている」
「YouTube Premiumを契約している」
ということだけでは、店舗内で商業利用するための権利処理が完了したことにはなりません。
専門家も、個人向け音楽配信サービスの料金とは別に、店舗で利用する場合には著作権・著作隣接権に関する手続きが必要になると説明しています。
外国曲や歌詞のない曲なら安全とは限らない
ここでもう一つ注意したいのが、
「ベトナム曲をやめて外国曲にすれば大丈夫」
「歌詞がなければ著作権はない」
「AI音楽ならすべて自由に使える」
とは限らないことです。
外国の音楽にも著作権や著作隣接権があります。
歌詞のない曲にも、作曲者や演奏者、録音物の製作者などの権利が存在する可能性があります。
AIで生成した音源についても、利用しているサービスの規約や商業利用ライセンスを確認する必要があります。
したがって、曲を外国語やインストゥルメンタルへ変更するだけで、必ず権利処理が不要になるわけではありません。
店舗側は、
- 商業利用が認められた音源か
- 誰が著作権を持っているか
- 録音物の権利がどこにあるか
- ライセンスの対象範囲
- 利用期間
- 店舗での再生が許可されているか
を確認する必要があります。
著作権料の規定自体は新しいものではない
今回の報道だけを見ると、
「2026年7月から突然、カフェが音楽を流せなくなった」
と思うかもしれません。
しかし、カフェや飲食店が商業目的で音楽を利用した場合に、権利者へ対価を支払うという考え方自体は新しいものではありません。
ベトナム著作権局の担当者は、音楽の商業利用に対する支払い義務は、以前から知的財産法に規定されていると説明しています。
近年の政令などによって、対価の計算方法や徴収方法がより明確になり、改めて店舗側の関心が高まっている状況です。
店側からすると、問題は権利者にお金を払う考え方だけではありません。
- どの団体へ連絡するのか
- 複数の団体へ支払う必要があるのか
- 店で流している曲をどのように申告するのか
- 料金はいくらか
- 店舗面積や使用時間で料金が変わるのか
- 支払い後、どの曲を流せるのか
といった実務が分かりにくいことが不安につながっています。
そのため、
「よく分からないので、とりあえず止める」
という店舗が出ているわけです。
ホーチミンのカフェがすべて無音になるわけではない
ただし、
「ホーチミンのカフェから音楽がすべて消える」
というニュースではありません。
実際には、
- 必要な権利処理をして音楽を流す店
- 店舗向け音楽サービスを利用する店
- 商業利用可能な音源を使う店
- AI音楽を契約条件に従って利用する店
- 一時的に音楽を止める店
- 制度の詳細を確認しながら従来通り運営する店
など、対応は店舗によって異なります。
現在は、著作権料の計算や支払い方法、利用できる楽曲の範囲などへの不安から、一部の店舗が慎重な対応を取っている段階と考えた方が正確です。
権利者へ対価が支払われる仕組みは必要です。
音楽を作る人がいる。
歌う人がいる。
演奏する人がいる。
録音する人がいる。
店舗がその音楽を使い、空間の価値を高めているのであれば、一定の対価を支払うという考え方は理解できます。
一方で、店舗側が、
「何を、誰に、どのように支払えばいいか分からない」
という状態で音楽を止めてしまうのであれば、制度や手続きをより分かりやすくする必要もあると思います。
ガソリンが下がってもフォーやブンは安くならない

四つ目は、ガソリンや軽油の価格が大きく下がっても、ホーチミン市内の飲食店ではフォー、ブン、フーティウ、米料理などの価格がなかなか下がらないというニュースです。
燃料価格が上昇した時、多くの飲食店は、
「輸送費が上がった」
「仕入れ価格が上がった」
「材料を運ぶ費用が増えた」
と説明し、料理を値上げしました。
報道によると、燃料価格が上昇した時期には、一食あたり5,000~7,000ドンほど値上げした店舗が多くありました。
ホーチミン市では、屋台や庶民的な店の米料理が3万5,000ドン以上。
少しきれいな店舗のフーティウ、ブン、フォーなどでは、4万5,000~5万5,000ドン程度になっている例が紹介されています。
中心部では、フォーやブンなどの朝食が6万ドンを超えることもあり、8万ドン以上の朝食も珍しくなくなっているという声も出ています。
では、燃料価格が下がれば、料理の価格も元へ戻るのでしょうか。
実際には、ほとんどの店が価格を維持しています。
中には、さらに値上げを検討している商品や仕入れ先もあると報じられています。
なぜ燃料が下がっても料理は安くならないのか
消費者からすると、
「値上げするときだけガソリンを理由にして、下がったら知らないふりをするのか」
と思いますよね。
実際、ベトナムの読者からも、
「燃料が上がるとすぐに料理も上がるのに、燃料が下がっても料理は下がらない」
「一度上がった価格は元へ戻らない」
といった不満が出ています。
一方、飲食店側にも理由があります。
配送業者の料金がすぐには下がらない
ガソリンや軽油が下がっても、食材を運ぶ物流会社や配送業者が、すぐに料金を下げるとは限りません。
報道では、第三者の運送業者が高い料金を維持しているため、飲食店が値下げしにくいという説明が出ています。
食材価格が下がっていない
肉、米、野菜、油、調味料などの価格が高いままであれば、燃料価格だけが下がっても料理全体の原価は十分に下がりません。
一度10~20%の値上げを認められた食品業者の中には、燃料価格が下がった後も価格を下げず、さらに値上げを提案している会社もあると報じられています。
家賃や人件費が上がっている
飲食店の経費は燃料代だけではありません。
- 店舗の家賃
- 従業員の人件費
- 電気代
- ガス代
- 包装資材
- 清掃費
- デリバリーサービスへの手数料
- 食材費
- 輸入材料に影響する為替
など、さまざまな費用があります。
燃料価格以外の費用が変わらない、あるいは上昇していれば、店側は料理の価格を元へ戻すことが難しくなります。
今の価格でも客が来るなら下げる理由がない
そして、かなり現実的な理由として、
「今の価格でも客が来るなら、店側に値下げする動機が生まれにくい」
という指摘もあります。
現地報道に寄せられた読者の意見では、
「料理を値上げしても客が並んでいるのであれば、店はわざわざ値下げしない」
「競合店が安い価格で客を奪うか、消費者が高い店へ行かなくならない限り価格は下がらない」
という声が出ています。
これは報道機関が事実として証明した理由ではなく、読者や消費者から出ている意見です。
ただ、市場の動きとしては理解できます。
店が5,000ドン値下げしても、客数が増える保証はありません。
今の価格でも十分に客が来るのであれば、その価格を維持する方が店の利益は大きくなります。
消費者としては納得しづらい話です。
しかし、店の経営判断として考えると、そうした対応になる店もあるでしょう。
「ベトナムは何でも激安」という感覚を修正する
日本人旅行者がこのニュースから覚えておきたいのは、
「ベトナムは何でも安い」
という感覚を少し修正する必要があることです。
もちろん、日本と比べて安いサービスや商品は現在も多くあります。
- ローカル食堂
- 配車アプリ
- マッサージ
- コーヒー
- 国内移動
- 一部のホテル
- 屋台料理
ただし、ホーチミン中心部や観光客の多いエリアでは、飲食代が少しずつ上昇しています。
フォー一杯が5万ドンであれば、為替にもよりますが約300円前後。
日本の外食価格と比べれば安いでしょう。
しかし、
「以前のベトナムではフォーを100円台で食べられた」
という感覚で旅行すると、かなり高くなったと感じるかもしれません。
さらに、旅行中は食事だけではありません。
カフェで飲み物を注文する。
配車アプリを一日に数回使う。
観光施設へ行く。
マッサージを利用する。
ホテルで朝食を追加する。
少しきれいなレストランへ入る。
それぞれの金額は安くても、合計すると意外に大きな出費になります。
以前の旅行記や数年前のYouTube動画に出てくる価格を、そのまま現在の予算へ使わない方がよいでしょう。
4つのニュースから見える現在のホーチミン
今回紹介した4つのニュースは、一見すると関係がありません。
トゥーティエム川沿いの格安撮影サービス。
宝くじ当選を理由に閉店したと主張する飲食店。
著作権料を心配して音楽を止めるカフェ。
燃料価格が下がっても安くならないフォーやブン。
しかし、すべてに現在のホーチミンの生活感が出ていると思います。
SNS需要が新しい商売を生み出す
きれいな写真をSNSに投稿したいという需要が、川沿いの公共スペースに新しい撮影ビジネスを生み出しています。
面白い物語は事実確認より先に広がる
「宝くじに当たったので店を閉めた」という分かりやすい物語は、当選の裏付けが確認される前に、SNSで大きく拡散します。
当たり前だった音楽にも権利とコストがある
これまで何となく店内で流していた音楽にも、著作権者、演奏者、録音物の製作者などの権利があります。
街のサービス産業が成長するにつれて、権利処理や法令順守にかかるコストも見えやすくなっています。
一度上がった物価は簡単に下がらない
燃料価格が下がっても、食材、人件費、家賃、物流費などが高いままであれば、外食価格は元へ戻りません。
さらに、現在の価格で客が来る限り、店側に値下げする動機が生まれにくいという市場の現実もあります。
ホーチミン旅行で見てみたいポイント
次にホーチミンへ行く方は、観光名所だけでなく、少し違った視点で街を見てみると面白いと思います。
トゥーティエム川沿いのカメラマン
夜の川沿いで、照明を並べて撮影しているカメラマンがいるか確認してみてください。
旅行者が利用できそうであれば、料金を確認したうえで記念撮影をお願いするのも面白いでしょう。
カフェで流れている音楽
カフェへ入ったとき、どのような音楽が流れているか意識してみてください。
ベトナムの曲なのか。
外国の曲なのか。
インストゥルメンタルなのか。
AIで生成したような曲なのか。
それとも完全な無音なのか。
店舗の雰囲気づくりがどのように変わっているかを感じられるかもしれません。
ローカル食堂の現在価格
フォー、ブン、フーティウ、米料理などの価格も確認してみてください。
数年前の旅行記と比べると、どの程度変わっているでしょうか。
中心部と郊外。
観光客向けの店舗とローカル店。
路面店とショッピングモール。
場所による価格差を見るのも、現在のホーチミンを理解する方法の一つです。
まとめ:観光名所だけでは見えないホーチミンの日常
今回は、ホーチミンで話題になっている4つのニュースを紹介しました。
まず、トゥーティエム川沿いでは、写真1枚2万ドン程度から、撮影、ポーズの提案、色の調整、スマートフォンへのデータ送信まで行うサービスが人気になっています。
次に、
「宝くじに当たったため店を閉めた」
という飲食店の投稿がSNSで話題になりました。
ただし、店主側は当選したと主張しているものの、当選券や換金資料などによる第三者確認は取れていません。
そして、音楽の商業利用に必要な著作権料や手続きへの不安から、一部のカフェが音楽を変更したり、一時的に止めたりしています。
SpotifyやYouTube Premiumなどの個人向け契約だけでは、店舗での商業利用に必要な権利処理が完了したことにはなりません。
最後に、燃料価格が下がっても、フォーやブン、米料理などの価格はなかなか下がっていません。
輸送費が高いままであること。
食材や人件費、家賃などが下がっていないこと。
さらに、値上げ後も客が来ている店では、値下げする動機が生まれにくいことなどが背景として挙げられています。
皆さんは、この4つの中でどのニュースが一番気になりましたか。
川沿いで2万ドン程度から写真を撮ってもらえるサービス。
宝くじに当たったと主張して店を閉めたという話。
音楽のないカフェ。
それとも、ガソリンが下がっても安くならないフォー。
そして、本当に宝くじで大金が当たったら、今の仕事を辞めるでしょうか。
ぜひコメントで教えてください。
参考情報
出典:Kenh14「写真1枚2万ドン、トゥーティエム川沿いの屋外撮影サービス」
出典:Dân trí「宝くじ当選を理由に閉店したとされるホーチミンの飲食店」
出典:Thanh Niên「宝くじに当たったら仕事を辞めるか」
出典:Tuổi Trẻ Online「著作権への不安から音楽を止めるカフェ」
出典:ベトナム著作権局「カフェにおける音楽利用と著作権料」
出典:Tuổi Trẻ Online「燃料価格が下がっても料理の価格が下がらない問題」
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。



