タイの空港内に喫煙室が復活する?現在のルールと意見募集の内容を解説

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

タイの国際空港で、旅客ターミナル内に喫煙室を認める可能性が検討されています。

ただし、最初に重要な点を確認しておきます。

空港内への喫煙室設置が決定したわけではありません。

「来月からスワンナプーム空港のターミナル内で吸える」

「タイの国際空港に喫煙室が一斉に復活する」

という段階ではありません。

タイ疾病管理局のたばこ製品管理委員会事務局は、国際線を運航する空港の旅客ターミナル内に喫煙区域を認める必要があるかについて、国民から意見を募集しています。

意見募集期間は、2026年7月16日から8月14日までです。

集まった意見は、今後の政策決定や関連法令の改正案を作成する際の参考に使われます。つまり現在は、制度変更の是非を検討するための初期段階です。

今回は、なぜ空港内の喫煙室が再び検討されているのか、現在のタイの空港ではどのようなルールが適用されているのか、日本人旅行者に今すぐ影響があるのかを整理します。

動画でも解説しています

この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。

今回のタイ空港内の喫煙室をめぐる議論については、YouTubeでも解説しています。

動画で確認したい方はこちらをご覧ください。

現在のタイの空港ターミナルは原則禁煙

タイでは、2018年の保健省告示によって、空港が禁煙対象の公共施設に指定されています。

現在の法制度では、旅客ターミナルの中で自由にたばこを吸うことはできません。

空港に喫煙区域を設ける場合も、基本的には建物の外に設置するという扱いです。今回の意見募集は、この現在のルールを見直し、一定の条件を満たす場合に限って国際空港のターミナル内へ喫煙区域を設けられるようにする必要があるかを検討するものです。

したがって、現時点では、

  • トイレ
  • 搭乗口付近
  • 人が少ない通路
  • 非常階段
  • 禁煙表示のある屋外部分

などで喫煙してはいけません。

「以前は空港内に喫煙室があった」

「ニュースで喫煙室を作ると見た」

という理由で、現在の指定場所以外で吸ってよいことにはなりません。

旅行者は、空港内の最新の案内表示とスタッフの指示に従う必要があります。

今回は喫煙室の「設置決定」ではない

今回行われているのは、制度変更に関する「原則段階の意見募集」です。

タイ疾病管理局の公式案内では、国際線を運航する空港の旅客ターミナル内に喫煙区域を設けることについて、妥当性と必要性を検討すると説明されています。

意見を募集した後に、

  • 本当に制度を変更する必要があるのか
  • どのような空港を対象にするのか
  • どのような設備基準を設けるのか
  • 法令改正が必要か
  • 非喫煙者をどう保護するか

などが検討されます。

したがって、意見募集が終わった翌日から喫煙室が使えるわけではありません。

制度を変更する場合は、法的な手続きや設備基準の策定、空港ごとの工事、性能評価などが必要になると考えられます。

なぜ今、空港内の喫煙室が検討されているのか

検討の背景にあるのが、国際線の乗り継ぎ客です。

例えば、海外からタイへ到着し、スワンナプーム空港で別の国行きの便に乗り継ぐ場合を考えてみましょう。

乗り継ぎ時間が5時間や8時間あったとしても、旅行者はすでに保安管理された制限区域内にいます。

建物の外に喫煙場所があっても、乗り継ぎ客が簡単に外へ出られるとは限りません。

一度入国する必要が生じたり、再び保安検査や出国手続きを受けたりする可能性があります。

現在の屋外喫煙区域だけでは、国際線の乗り継ぎ客が利用しにくいという事情があり、一定の条件を満たした室内喫煙区域を認めるべきではないかという議論につながっています。

普通の駅や商業施設とは異なり、国際空港には、

  • 入国審査
  • 出国審査
  • 保安検査
  • 制限区域
  • 国際線の乗り継ぎ
  • 長時間の待機

という特殊な条件があります。

この空港特有の事情を、現在の全面的な室内禁煙ルールの中でどう扱うかが論点です。

対象はスワンナプーム空港だけではない

今回のニュースは、スワンナプーム空港の写真や過去の検討事例とともに報じられることが多いため、

「スワンナプーム空港だけの話」

と思う人もいるかもしれません。

しかし、公式な意見募集の対象は、

国際線を運航する空港の旅客ターミナル内

です。

つまり、制度の考え方としては、スワンナプーム空港だけではなく、タイ国内の国際空港全体に関係する可能性があります。

ただし、制度が変更された場合でも、すべての空港に必ず喫煙室が設置されるとは限りません。

空港ごとに、

  • 建物の構造
  • 制限区域の配置
  • 利用者数
  • 乗り継ぎ客の数
  • 排気設備を設置できる場所
  • 工事費
  • 維持管理体制

が異なります。

法的に設置できるようになった場合でも、実際に作るかどうかは空港側の判断や設備条件によって変わる可能性があります。

スワンナプーム空港では以前から検討されていた

スワンナプーム空港内の喫煙室については、今回突然議論が始まったわけではありません。

タイ空港公社は以前から、スワンナプーム空港の旅客ターミナル内に喫煙区域を設けることを提案していました。

特に問題となったのが、衛星ターミナルのSAT-1です。

SAT-1は制限区域内にある閉鎖的な構造の建物であり、利用者が建物外の喫煙区域へ移動することが困難だと説明されています。

2025年の検討では、次のような案が示されました。

  • SAT-1に室内喫煙室のモデルを1室設置
  • 出発階に試験用の室内喫煙室を3室設置
  • 建物外にもモデルとなる喫煙区域を整備
  • 換気性能や有害物質の管理能力を評価
  • 非喫煙者の健康保護を優先して判断

室内喫煙室は、設置しただけで直ちに一般利用を開始するのではなく、開放前に換気や排気性能を評価する方針が示されていました。

また、外部の喫煙区域が整備された場合には、一部の室内モデル施設を廃止するという考え方も含まれていました。

つまり、当初から、

「室内喫煙室を恒久的に増やす」

と単純に決めていたのではありません。

室内と屋外のどちらが安全か、どの設備なら煙を管理できるかを試験する構想でした。

普通の部屋に換気扇を付けるだけでは不十分

空港内に喫煙室を作る場合、単に空いている部屋へ換気扇を取り付ければよいわけではありません。

国際空港のターミナルでは、毎日多くの人が移動します。

喫煙室を利用する人が多ければ、ドアは頻繁に開閉されます。

室内に多くの利用者が集中すれば、想定以上の煙や有害物質が発生する可能性もあります。

さらに、

  • フィルターの交換が遅れる
  • 排気設備が故障する
  • 清掃や点検が不足する
  • 利用人数の上限が守られない
  • ドアが開放されたままになる

といった問題が起きれば、煙や臭いが共用部分へ漏れる可能性があります。

今回の意見募集では、喫煙区域を認める場合に、どのような物理的条件や工学的基準を定めるべきかも重要な論点になっています。

具体的には、煙が外へ漏れず、同じ建物を利用するほかの人へ影響や不快感を与えない施設にできるかが問われています。

重要なのは、完成時の性能だけではありません。

長期間にわたり、同じ性能を維持できるかという点です。

非喫煙者の健康保護が前提

タイのたばこ製品管理委員会は、スワンナプーム空港の喫煙室を検討する際、非喫煙者の健康保護を重視すると説明しています。

室内喫煙室の性能を評価するための作業部会についても、非喫煙者の保護を判断の中心に置く方針が示されました。

喫煙室の利用者が、

「部屋の中で吸えるから便利になった」

と感じても、その煙や臭いが周囲へ漏れれば、非喫煙者に負担を移しただけになります。

特に空港には、

  • 子ども
  • 高齢者
  • 妊娠中の人
  • 呼吸器系の問題がある人
  • 長時間空港で働く従業員

など、さまざまな人がいます。

喫煙者の利便性だけでなく、喫煙しない人が煙を避けられる環境を守ることが制度変更の前提になります。

空港で働く人への影響も考える必要がある

旅行者は通常、数時間で空港を離れます。

しかし、空港では毎日、多くの人が長時間勤務しています。

例えば、

  • 航空会社のスタッフ
  • 空港運営会社の職員
  • 保安検査員
  • 警備員
  • 清掃スタッフ
  • 免税店の従業員
  • 飲食店の従業員
  • ラウンジスタッフ

です。

喫煙室から少量の煙が漏れる状態が続けば、近くで毎日働く人が繰り返し影響を受ける可能性があります。

また、喫煙室そのものを清掃するスタッフの安全も考えなければなりません。

旅行者の利便性だけでなく、空港で働く人が日常的に煙へさらされない管理体制が必要です。

設置費用と維持費は誰が負担するのか

高性能な喫煙室を設けるには、相応の費用がかかります。

必要になる可能性があるのは、

  • 専用の換気設備
  • 建物外までつながる排気ダクト
  • 室内の負圧管理
  • 煙の漏出を防ぐ扉
  • 空気を監視するセンサー
  • 高性能フィルター
  • 定期的なフィルター交換
  • 清掃
  • 設備の保守
  • 第三者による性能検査

などです。

設置時の工事費だけでなく、その後も継続的な維持管理費が発生します。

利用者が少ない場合は、

「多額の費用をかける必要があるのか」

という問題が出ます。

一方、利用者が多すぎれば、室内が混雑し、ドアの開閉回数が増えることで煙が外へ漏れやすくなる可能性があります。

制度を変更するのであれば、

  • 空港運営会社が費用を負担するのか
  • 利用者から料金を取るのか
  • 誰が定期検査を行うのか
  • 基準を満たさなくなった場合に誰が閉鎖を判断するのか
  • 違反時にどのような措置を取るのか

まで決める必要があります。

喫煙者にとっては長時間の乗り継ぎが問題

一方、喫煙者の立場から見ると、空港内に喫煙場所がないことは切実な問題になる場合があります。

例えば、

  • 10時間を超える長距離便に乗る
  • 空港で6時間乗り継ぐ
  • その後さらに8時間のフライトに乗る

という旅程では、非常に長い時間、指定された喫煙場所へ移動できない可能性があります。

もちろん、空港のルールを守り、吸わずに待つことが前提です。

しかし現実には、指定場所が利用しにくいことで、トイレや非常階段などで隠れて喫煙する人が出る可能性もあります。

そのため、

完全に隔離された場所を用意し、それ以外での喫煙を厳しく禁止した方が管理しやすい

という考え方もあります。

議論すべきなのは、

「喫煙者を優先するか、非喫煙者を優先するか」

という感情的な二択だけではありません。

全面禁煙を維持する場合と、高性能な隔離型喫煙室を設ける場合のどちらが、現実的に違反喫煙や煙の拡散を減らせるかを比較する必要があります。

喫煙室を作るなら厳しい条件が必要

個人的には、空港内へ喫煙室を作ること自体に、最初から絶対反対というわけではありません。

ただし、設置するのであれば、非常に厳しい条件が必要だと思います。

例えば、

  • 喫煙室の近くを通るだけで臭いがする
  • ドアが開くたびに煙が出てくる
  • 室外の空気中に有害物質が検出される
  • 清掃スタッフが煙の残った室内で作業する
  • フィルター交換や点検が適切に行われない

という状態であれば、室内に設けるべきではありません。

単に、

「壁と扉で区切ってあります」

というだけでは不十分です。

少なくとも、

  • 煙を共用部分へ漏らさない
  • 排気を建物内へ戻さない
  • 空気の状態を継続的に監視する
  • 利用人数を管理する
  • 清掃スタッフの安全対策を設ける
  • 定期的に第三者が性能を検査する
  • 基準を満たさない場合は直ちに利用停止する

といった仕組みが必要だと思います。

そこまで管理できる場合に限り、外へ移動できない長時間の乗り継ぎ客向けとして、限定的に設置する選択肢はあるかもしれません。

管理できないのであれば、屋外喫煙区域の場所を分かりやすくし、安全に移動できる仕組みを整える方がよいでしょう。

日本人旅行者に今すぐ影響はある?

2026年7月26日時点では、日本人旅行者への直接的な影響はほとんどありません。

現在は意見募集の段階であり、今回の募集によって新しい喫煙室が正式に一般開放されたわけではありません。

タイへ行く人は、

「ニュースで喫煙室が復活すると聞いたから、空港の中で吸ってよい」

とは考えないでください。

喫煙できるのは、空港が正式に指定した場所だけです。

必ず、

  • 喫煙マーク
  • 空港の案内板
  • 公式ウェブサイト
  • 空港スタッフの案内

を確認してください。

現在の運用は空港や工事、設備の状況によって変わる可能性があるため、過去の旅行記や古い動画だけを頼りにしない方が安全です。

将来設置されても指定場所以外は禁煙

仮に将来、空港ターミナル内へ喫煙室を設置できる制度になったとしても、ターミナル全体で喫煙できるようになるわけではありません。

喫煙できるのは、

  • 空港が正式に指定した部屋
  • 喫煙区域として表示された場所
  • 設備基準を満たした場所

だけになると考えられます。

喫煙室が設置された場合でも、

  • トイレ
  • 通路
  • 搭乗口
  • ラウンジの非喫煙エリア
  • 非常階段
  • 建物の出入口付近

などで喫煙してよいことにはなりません。

電子たばこや加熱式たばこについても、自己判断せず、タイの法令と空港の表示に従う必要があります。

意見募集は2026年8月14日まで

今回の意見募集期間は、2026年7月16日から8月14日までです。

主な検討内容は、次のように整理できます。

国際空港のターミナル内に喫煙区域が必要か

長時間の乗り継ぎ客や、制限区域から外へ出られない利用者のために、室内喫煙区域を認める必要があるかが問われています。

認める場合、どのような設備条件が必要か

煙が外へ漏れない構造、換気・排気能力、施設の維持管理、性能検査など、物理的・工学的な条件をどう設定するかが論点です。

非喫煙者と空港職員をどう守るか

旅行者だけでなく、空港内で長時間働く人を受動喫煙から保護できるかも重要です。

誰が費用と管理責任を負うか

設備の建設費、維持費、点検費用、故障時の対応などを誰が負担するかも、実際の制度運用では避けられない問題です。

意見は、タイの法令意見募集システムや疾病管理局が案内する窓口から提出できます。

まとめ:空港内喫煙室はまだ検討段階

今回は、タイの国際空港で、旅客ターミナル内の喫煙区域を認めるべきかについて意見募集が始まったニュースを紹介しました。

現在のタイの空港ターミナルは、法制度上、原則として禁煙です。

喫煙区域を設ける場合も、基本的には建物外に設置する扱いとなっています。

今回の発表は、

空港内への喫煙室設置決定ではありません。

タイ疾病管理局は、2026年7月16日から8月14日まで意見を募集し、国際線を運航する空港のターミナル内に喫煙区域を認める必要があるか検討しています。

検討の背景には、国際線の乗り継ぎ客が、制限区域から建物外の喫煙場所へ自由に移動しにくいという事情があります。

一方で、

  • 煙や臭いが共用部分へ漏れないか
  • 非喫煙者を保護できるか
  • 空港で働く人の健康を守れるか
  • 換気設備の性能を維持できるか
  • 設置費用や維持費を誰が負担するか

といった課題があります。

現時点で旅行者が利用できる新しい喫煙室が正式に開設されたわけではありません。

タイの空港を利用する際は、必ず最新の案内表示を確認し、正式に指定された喫煙場所以外では吸わないようにしてください。

皆さんは、煙を外へ漏らさない高性能な喫煙室であれば、国際空港のターミナル内に設置してもよいと思いますか?

それとも、空港ターミナルの中は今まで通り全面禁煙を維持した方がよいと思いますか?

ぜひコメントで教えてください。

参考情報

出典:タイ疾病管理局「国際線を運航する空港の旅客ターミナル内への喫煙区域設置に関する意見募集」

出典:タイ疾病管理局「スワンナプーム空港の喫煙室の性能評価に関する作業部会」

出典:タイ保健省「禁煙区域および喫煙区域に関する2018年告示」

この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。

Instagram 気付けば東南アジア旅行 Travel with You Kuni Vlog
気付けば東南アジア旅行 Travel with You Kuni Vlog