
タイ旅行中、タクシーへパスポートを置き忘れたり、自分が泊まっているホテルの名前が分からなくなったりしたら、どうすればよいのでしょうか。
今回紹介するのは、タイの観光警察が外国人旅行者を支援した2つの事例です。
一つ目は、スペイン人旅行者が、パスポートの入ったウエストバッグを紛失した事例。
観光警察がホテルへの確認や空港の防犯カメラ映像の調査を行い、利用したタクシーを特定。運転手の協力によって、バッグは中身がそろった状態で旅行者へ返されました。
二つ目は、パタヤでイタリア人旅行者が、自分の宿泊施設名を思い出せなくなった事例です。
旅行者が覚えていたのは、宿泊先がウォーキングストリート周辺にあるということだけでした。
パタヤ観光警察は、イタリア語に対応できるボランティアの協力も得ながら宿泊先を確認し、旅行者を安全に送り届けました。
この2件から分かるのは、
困ったときは観光警察へ相談すること。
そして、
警察が調査できる手掛かりを、自分でも残しておくこと。
この両方が重要だということです。
動画でも解説しています
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。
今回のタイ観光警察による旅行者支援については、YouTubeでも解説しています。
パスポート入りのバッグをタクシーに置き忘れ

一つ目は、ドンムアン国際空港でスペイン人旅行者が相談した事例です。
2026年7月27日午前6時ごろ、旅行者はドンムアン空港の観光警察を訪れ、
「パスポートや私物が入ったウエストバッグが見当たらない」
と届け出ました。
本人は、滞在していたホテルへ置き忘れたのか、利用したタクシーの中へ忘れたのか、はっきり分からない状態でした。
パスポートは海外で自分の国籍と身元を証明する最重要書類です。
紛失すれば、その後の旅行や帰国に大きな影響が出るため、観光警察は旅行者の移動経路を順番に確認しました。
最初にホテルへ忘れ物を確認
観光警察はまず、旅行者が宿泊していたグランド・サトーン・ホテルへ連絡しました。
ホテルのスタッフが施設内の忘れ物を確認しましたが、該当するバッグは見つかりませんでした。
これにより、タクシーの中へ置き忘れた可能性が高まりました。
忘れ物をした場所が分からない場合も、最後に利用した場所を一つずつ確認していくことで、可能性を絞ることができます。
空港の防犯カメラでタクシーを特定
次に観光警察は、ドンムアン空港の防犯カメラ担当部署と連携し、旅行者の移動映像を確認しました。
映像から、旅行者が乗っていたタクシーと車両番号を特定。
報道では、車両番号はバンコク登録の「1กข 8680」とされています。
タクシーを特定できたことで、警察は運転手へ直接連絡できるようになりました。
単に、
「黄色いタクシーだった」
「男性の運転手だった」
という情報だけでは、バンコクを走る大量の車両から1台を探すのは困難です。
防犯カメラと車両番号が、バッグを取り戻すための重要な手掛かりになりました。
運転手がバッグを発見して空港へ返還
観光警察から連絡を受けた運転手が車内を確認したところ、旅行者のウエストバッグが見つかりました。
警察は運転手へ、バッグをドンムアン空港へ届けるよう依頼。
その後、バッグは空港でスペイン人旅行者へ返されました。
旅行者が確認したところ、パスポートを含む所持品はすべて無事だったと報じられています。
今回の事例は、親切な運転手がバッグを返したというだけではありません。
- ホテルへの確認
- 防犯カメラの調査
- タクシーの特定
- 運転手への連絡
- 空港での返還
という、実務的な調査と関係者の連携によって解決しています。
タクシーの領収書を受け取る
今回のような忘れ物に備え、タクシーを利用した際は領収書を受け取っておくと安心です。
領収書には、車両や運転手を確認するための情報が記載されている場合があります。
ただし、運転手が領収書を渡さない場合や、記載が分かりにくい場合もあります。
そのため、乗車前または降車時に、
- 車両番号
- タクシーの色
- 乗車した時間
- 乗車場所
- 降車場所
を確認しておくと、警察やタクシー会社へ説明しやすくなります。
配車アプリでも車両番号を確認
Grabなどの配車アプリを利用する場合は、アプリに表示された車両番号と、実際に到着した車両の番号を照合してください。
まれに、アプリ上の登録車両と異なる車両が来ることがあります。
車両番号が違う場合は、そのまま乗らず、運転手へ確認した方が安全です。
乗車後も、次の情報をスクリーンショットで保存しておくと役立ちます。
- 運転手の名前
- 車両番号
- 車種
- 乗車ルート
- 予約番号
- 支払い記録
アプリ内の履歴が残る場合でも、通信障害やアカウントへのログイン問題に備え、スクリーンショットがあると説明しやすくなります。
降りる前の4点確認を習慣にする
忘れ物を防ぐ最も簡単な方法は、車を降りる直前の確認を習慣にすることです。
毎回、次の4カ所を確認してください。
- 座席の上
- 足元
- ドアポケット
- トランク
特に夜間や飲酒後は注意が必要です。
長時間の移動で疲れていたり、ホテルへ着いたことで安心したりすると、バッグやスマートフォンを座席へ置いたまま降りやすくなります。
毎回同じ順番で確認すれば、忘れ物に気づく可能性が高くなります。
パスポートや財布を座席へ置かない
車内で財布やパスポートを使用した後、膝の上や隣の座席へ一時的に置くのは避けた方がよいでしょう。
降車時に別の荷物へ気を取られると、そのまま置き忘れる可能性があります。
ウエストバッグやショルダーバッグは、車を降りるまで体から外さないと決めておく方法が有効です。
貴重品を使用した後は、必ず決めた内ポケットへ戻してください。
忘れない工夫と、忘れた場合に追跡できる情報を残す工夫。
この2つを同時に行うことが重要です。
パタヤで宿泊先の名前を思い出せない

二つ目は、パタヤでイタリア人旅行者が宿泊施設名を思い出せなくなった事例です。
パタヤ観光警察の公式投稿によると、旅行者が覚えていたのは、
宿泊先がウォーキングストリートの近くにある
という情報だけでした。
ホテル名や正確な住所が分からなければ、タクシーや配車サービスを利用して戻ることもできません。
ウォーキングストリート周辺には多数のホテル、ゲストハウス、コンドミニアムがあります。
「繁華街の近く」という情報だけで宿泊先を特定するのは、簡単ではありません。
イタリア語対応の協力を得て聞き取り
観光警察は、旅行者から詳しい状況を聞き取るため、イタリア語で対応できる観光警察ボランティアとも連携しました。
旅行者が覚えている建物の特徴や周辺の状況などを確認し、宿泊先を探したとされています。
外国でトラブルが起きた場合、普段なら話せる英語でも、焦りや疲労によって説明が難しくなることがあります。
母語で状況を説明できる人が加わることで、断片的な情報から宿泊先を絞り込みやすくなります。
ホテルを特定し、安全に送り届ける
聞き取りの結果、観光警察は旅行者の宿泊先を特定しました。
旅行者へ道を説明して終わるのではなく、警察側が宿泊施設まで送り届け、安全を確認しています。
今回のポイントは、単なる道案内ではありません。
- 言葉の壁を解消する
- 宿泊先を特定する
- 旅行者の安全を確保する
- ホテルまで送り届ける
という対応が行われました。
繁華街で迷っている旅行者をそのまま一人で歩かせず、安全な場所へ戻すことを優先した事例です。
ホテル名と住所を紙でも持っておく
現在は、ホテル予約の多くをスマートフォンで管理できます。
しかし、
- バッテリーが切れる
- スマートフォンを紛失する
- 画面が壊れる
- 予約アプリへログインできない
- 通信が使えない
という可能性があります。
宿泊先について、次の情報を紙へ書き、財布や小さなポーチへ入れておくと安心です。
- ホテル名
- ホテルの住所
- 電話番号
- 予約番号
- 最寄りの駅や目印
- 部屋番号
タイ語で書かれたホテル名や住所も保存しておけば、英語が通じにくい運転手へ見せられます。
スクリーンショットはオフラインで見られるようにする
スマートフォンにも、ホテル予約画面のスクリーンショットを保存してください。
予約アプリを開かなくても、写真フォルダからすぐ見られる状態にしておくことが重要です。
次の画面を保存しておくと役立ちます。
- ホテル名
- 住所
- 地図
- 外観写真
- 電話番号
- 予約確認番号
ホテル名が似ている施設もあるため、外観写真や地図も保存しておくと間違いを防ぎやすくなります。
飲酒する日は特に注意
パタヤやバンコクの繁華街では、旅行中にお酒を飲む機会もあるでしょう。
飲酒すると、
- ホテル名を思い出せない
- スマートフォンをなくす
- タクシーへ荷物を忘れる
- 現在地が分からなくなる
- 同行者とはぐれる
といったトラブルが起こりやすくなります。
飲みに出かける前に、ホテル情報を同行者と共有してください。
一人で出かける場合は、ホテルのカードキーや住所を書いた紙を、財布とは別の安全な場所へ入れておく方法もあります。
困ったら観光警察1155へ相談
タイ観光警察の緊急相談番号は1155です。
観光警察の公式サイトでは、1155のホットラインとThailand Tourist Policeアプリが案内されています。
観光警察では、例えば次のような相談に対応しています。
- 貴重品の紛失・盗難
- 詐欺や料金トラブル
- 宿泊施設との問題
- 道に迷った
- 同行者とはぐれた
- 言葉が通じず困っている
- 事件や事故に巻き込まれた
ただし、生命の危険がある事件や、緊急の犯罪・事故では、一般警察の緊急番号191や救急機関への連絡が必要になる場合があります。
自分だけで解決しようとしない
海外でトラブルが起きると、
「英語がうまく話せない」
「この程度で警察へ相談してよいのか」
「面倒な手続きになるのでは」
と考え、相談をためらう人もいるでしょう。
しかし、自分だけでタクシーを探したり、知らない街を歩き回ったりすると、状況が悪化する可能性があります。
特に、
- パスポートをなくした
- 財布やカードがない
- 現在地が分からない
- ホテルへ戻れない
- 危険を感じる
という場合は、観光警察や最寄りの警察署へ相談してください。
まとめ:警察へ相談できる手掛かりを残す
今回は、タイ観光警察が外国人旅行者を支援した2つの事例を紹介しました。
一つ目は、スペイン人旅行者がパスポート入りのウエストバッグを紛失した事例です。
観光警察は、
- 宿泊ホテルへ確認
- ドンムアン空港の防犯カメラを調査
- 利用したタクシーを特定
- 運転手へ連絡
し、バッグを旅行者へ返還しました。
二つ目は、パタヤでイタリア人旅行者がホテル名を思い出せなくなった事例です。
観光警察は、イタリア語対応が可能なボランティアとも協力し、宿泊先を特定して旅行者を安全に送り届けました。
旅行者が覚えておきたいのは、次の2点です。
困ったときは、ためらわず観光警察へ相談する。
警察が調査できる手掛かりを、自分でも残しておく。
タクシーの車両番号を撮影する。
配車アプリの画面を保存する。
ホテル名と住所を紙へ書く。
貴重品を決めた場所へ戻す。
降車前に座席や足元を確認する。
こうした小さな準備が、トラブル発生後の対応を大きく変えます。
旅行中の忘れ物や迷子を完全に防ぐことは難しいかもしれません。
ただし、忘れないための習慣と、忘れた場合に追跡できる情報を用意しておけば、解決できる可能性は高くなります。
参考情報
出典:Pattaya Mail「CCTV, taxi driver and police team up to save Spanish tourist’s lost passport」
出典:パタヤ観光警察公式発表「ホテル名を思い出せないイタリア人旅行者を支援」
出典:タイ観光警察「Tourist Police Hotline 1155」
出典:タイ観光警察「Thailand Tourist Police Application」
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。



