
タイ旅行中、寺院へ立ち寄る予定がある方に、改めて確認しておきたいマナーがあります。
プーケット観光警察は外国人旅行者に対し、寺院を訪れる際には、ビーチへ行くような服装を避け、場所への敬意が伝わる服装をするよう呼びかけました。
基本となるのは、
肩を隠すこと。
膝を隠すこと。
です。
プーケットは世界的に有名なビーチリゾートです。
タンクトップ、ノースリーブ、短いパンツ、ビーチサンダルなどで一日を過ごす旅行者も多いでしょう。
しかし、寺院は観光スポットである前に、現地の人が祈り、僧侶が修行し、宗教行事を行う信仰の場です。
ビーチから移動して、そのままの服装で寺院へ入ると、本人に悪意がなくても、現地の人には敬意を欠いた行動と受け取られる可能性があります。
今回は、
- タイの寺院ではどのような服装をすればよいのか
- 靴や帽子はどうすればよいのか
- 写真撮影や参拝時に注意すること
- アサラハブーチャとはどのような日なのか
- ワット・パークナムとエメラルド寺院の違い
- お布施はいくら入れればよいのか
を、旅行者向けに分かりやすく整理します。
動画でも解説しています
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。
動画公開前ですタイの寺院を訪れる際の服装と参拝マナーについては、YouTubeでも解説しています。
プーケット観光警察が寺院の服装を注意喚起
プーケット観光警察は、寺院を訪れる旅行者に向けて、海へ行くような服装ではなく、宗教施設にふさわしい服装をするよう案内しました。
注意喚起では、難しい儀式や専門的な仏教知識を求めているわけではありません。
要点は、
寺院へ入るときは、場所を尊重する服装を選ぶ
ということです。
プーケットでは、海、ホテル、レストラン、寺院を一日のうちに続けて訪れることがあります。
ビーチでは問題のない服装でも、寺院では不適切になる場合があります。
旅行者側は、
「少し見学するだけ」
「小さな寺院だから大丈夫」
と思うかもしれません。
しかし、寺院の規模や知名度にかかわらず、現地の人にとっては大切な信仰の場所です。
肩と膝を隠すのが基本

タイ国政府観光庁は、寺院を訪れる際の基本的な服装として、男女とも肩と膝を覆う服装を案内しています。
男性は袖のあるシャツと、膝が隠れる長さのパンツ。
女性は袖のあるトップスと、膝より長いスカートまたはパンツが基本です。
水着用のショートパンツ、タンクトップ、細い肩ひものトップスなどは、寺院では避けるよう求められています。
旅行者が準備しやすい服装としては、
- 半袖のTシャツやシャツ
- 膝より長いパンツ
- ロングスカート
- 薄手の長ズボン
- 肩を覆える上着
などがあります。
女性だけでなく、男性も短すぎるパンツやノースリーブを避けた方が安全です。
「女性だけが肌を隠せばよい」というルールではありません。
大きな寺院では服装確認が厳しいこともある
すべての寺院で、同じ厳しさの服装確認が行われるわけではありません。
地域の小さな寺院では、入口で細かく確認されない場合もあります。
一方、王宮内のワット・プラケオなど、重要性が高く来訪者も多い施設では、服装規定が明確に設定されています。
王宮の公式案内では、ノースリーブ、ベスト、丈の短いトップス、透ける服、短いパンツ、ミニスカート、破れたパンツ、極端に体へ密着する服などが不適切な服装として挙げられています。
「別の寺院では入れたから、ここでも大丈夫」
とは限りません。
実際に訪れる寺院の入口表示と、係員の指示を優先してください。
暑いタイで寺院用の服をどう準備する?
タイでは気温と湿度が高いため、旅行中ずっと長袖や厚い長ズボンで過ごすのは現実的ではありません。
寺院へ行く可能性がある日は、バッグの中へ次のものを入れておくと便利です。
- 薄手の長袖シャツ
- 肩を覆えるカーディガン
- 膝を覆える薄手のパンツ
- 大判の布や適切なカバー用品
ただし、布を巻けば必ず入場できるとは限りません。
重要な寺院では、簡易的なカバーだけでは認められない場合もあります。
最初から肩と膝が隠れる服装で訪れるのが最も確実です。
靴は本堂へ入る前に脱ぐ
タイの寺院では、本堂などの建物へ入る前に靴を脱ぐのが基本です。
入口付近に靴箱や靴を置く場所が用意されています。
寺院を訪れる日は、脱ぎ履きしやすい靴を選ぶと便利です。
なお、靴を脱ぐ場所は寺院ごとに異なります。
境内へ入った時点で脱ぐ場所もあれば、建物の入口で脱ぐ場所もあります。
周囲の人が靴を脱いでいる場所や、案内表示を確認してください。
寺院の入口に段差や敷居がある場合は、敷居の上を踏まず、またいで入ることもマナーとして案内されています。
帽子とサングラスは外す
タイ国政府観光庁は、寺院や宗教施設内では帽子とサングラスを外すよう案内しています。
屋外の境内では、強い日差しへの対策として帽子が必要な場合もあるでしょう。
ただし、本堂や仏像を安置している建物へ入る際には、帽子を取るのが無難です。
帽子を取ることに罰則があるかどうかではなく、信仰の場へ入るときの敬意として考えると分かりやすいでしょう。
寺院では大声で騒がない
寺院には、観光客だけでなく、祈りや瞑想のために訪れている人がいます。
友人同士で会話すること自体が禁止されているわけではありません。
ただし、
- 大声で話す
- 笑い声を響かせる
- 音楽や動画をスピーカーから流す
- 走り回る
- 携帯電話で長時間話す
といった行為は避けてください。
タイ国政府観光庁も、寺院では携帯電話をマナーモードにし、大声で話したり叫んだりしないよう案内しています。
寺院は静かにしなければ処罰される場所というより、他の人が祈る時間を邪魔しない場所です。
写真撮影は表示を確認する
多くのタイの寺院では写真撮影ができます。
しかし、すべての場所で自由に撮影できるわけではありません。
次の点を確認してください。
- 撮影禁止の表示がないか
- フラッシュ撮影が禁止されていないか
- 僧侶や参拝者を無断で撮っていないか
- 祈っている人の前を横切っていないか
- 通路をふさいでいないか
タイ国政府観光庁は、写真を撮るために祈っている人や寄付をしている人の邪魔をすることは失礼に当たると案内しています。
写真映えする場所でも、撮影者が最優先ではありません。
仏像へ足の裏を向けない
タイでは、足は身体の中でも低い部分と考えられています。
仏像の前へ座る場合は、足の裏やつま先を仏像へ向けないようにしてください。
正座をする必要はありません。
足を後ろへ折る、または身体の横へ流すように座れば、仏像へ足の裏を向けずに済みます。
寝転んで撮影したり、仏像や仏塔へ足を向けてポーズを取ったりする行為も避けるべきです。
日本では単なる撮影ポーズに見えても、タイでは強い無礼と受け取られる可能性があります。
仏像や宗教的な物へ触らない
仏像や仏塔、宗教的な装飾は、撮影用のセットではありません。
許可なく触ったり、登ったり、寄りかかったりしないでください。
また、仏像を指で直接指し示す行為も避けた方がよいとされています。
壊れそうに見えない物でも、長年多くの人が触れば、汚れや損傷につながります。
現地の表示に「触らないでください」と書かれている場合は、必ず従ってください。
女性は僧侶へ直接触れない
タイ国政府観光庁は、女性が僧侶本人や僧衣へ直接触れないよう案内しています。
女性が僧侶へ物を渡す場合は、男性を通して渡すか、物をいったん置いて僧侶に受け取ってもらう方法が示されています。
混雑した寺院や公共交通で僧侶の近くを通る際も、身体が接触しないよう少し距離を取ると安心です。
タイの寺院での基本的な参拝方法
タイの寺院には、日本の神社における「二礼二拍手一礼」のように、旅行者全員が必ず行う一つの統一形式があるわけではありません。
参拝方法は寺院、地域、宗派、行事によって異なります。
旅行者が静かに参拝する場合は、
- 指定された場所で靴を脱ぐ
- 帽子とサングラスを外す
- 仏像の前で静かに合掌する
- 軽く頭を下げる
- 足の裏を仏像へ向けない
という形で十分です。
タイの寺院では、日本の神社のように拍手を打つ必要はありません。
周囲の参拝者をまねようとして、分からない儀式を無理に行う必要もありません。
静かに手を合わせ、邪魔をしないことが最も重要です。
アサラハブーチャとは?
アサラハブーチャは、タイ語で「ワン・アーサーンハブーチャ」と呼ばれる重要な仏教祝日です。
日本語では「三宝節」と呼ばれることがあります。
ブッダが悟りを開いた後、5人の修行者へ最初の説法を行った日を記念するものです。
その説法によって最初の弟子が生まれ、仏・法・僧の三宝がそろった日とされています。
2026年のアサラハブーチャは、7月29日でした。
翌日の7月30日は、僧侶が雨期の修行期間へ入るカオパンサー、つまり入安居の日でした。
この記事の公開時点では、2026年の両日はすでに終了しています。
ただし、寺院の服装と行動マナーは、仏教祝日の期間だけに適用されるものではありません。
年間を通して守るべき基本的な配慮です。
ウィアンティアンとは?
アサラハブーチャなどの重要な仏教行事では、寺院で「ウィアンティアン」と呼ばれる儀式が行われます。
参加者がろうそく、線香、花などを持ち、本堂や仏塔の周りを静かに回る行事です。
2026年の公式行事案内でも、アサラハブーチャに合わせて、寺院での説法、瞑想、持戒、ウィアンティアンなどが行われると説明されています。
こうした時間帯には、普段以上に多くの人が真剣に祈っています。
観光客が参加する場合は、撮影を優先せず、行列の流れと寺院の案内に従ってください。
仏教祝日は営業や販売条件も確認する
タイの重要な仏教祝日には、施設の営業時間やサービス内容が通常と異なる場合があります。
酒類販売についても、法律やその年の告示、施設の区分によって運用が変わる可能性があります。
アサラハブーチャやカオパンサーの時期にタイへ行く場合は、
- ホテル
- レストラン
- コンビニ
- バー
- 観光施設
の最新案内を事前に確認してください。
過去の旅行情報をそのまま利用せず、渡航年の公式情報を見ることが重要です。
ワット・パークナムで・・・
ワット・パークナム・パーシーチャルーンは、エメラルド色の美しい天井画やガラス仏塔で知られるバンコクの寺院です。
一方、一般に「エメラルド寺院」と呼ばれるのは、王宮内にあるワット・プラケオ、つまりエメラルド仏寺院です。
ワット・パークナムとワット・プラケオは、別の寺院です。
タイ国政府観光庁の案内でも、ワット・プラケオとワット・パークナムは、それぞれ別のバンコクの観光地として紹介されています。
ワット・パークナムは写真撮影を目的に訪れる旅行者にも人気ですが、現在も現地の人が祈りを行う寺院です。
特に日本人に最初は人気でしたが目に余る行動も多く日本語で大きく注意書きをしていることもありました。
写真映えを優先して、
- 大声を出す
- 寝転がる
- 飛び跳ねる
- 柱や宗教的な装飾へ触る
- 他の参拝者を撮影する
といった行動は避けてください。
お布施はいくら入れればよい?
タイの寺院のお布施に、旅行者全員が従う全国共通の定額があるわけではありません。
寄付箱が置かれている場合は、無理のない範囲で、自分の気持ちに合った金額を入れればよいでしょう。
重要なのは、
高い金額を入れなければ失礼になるわけではない
ということです。
入場料が必要な寺院では、入場料と任意のお布施は別に扱います。
入口や寄付箱に金額の案内がある場合は、その表示に従ってください。
寄付を強く求める人物がいた場合や、金額について不安がある場合は、寺院の正式な窓口やスタッフへ確認するのが安全です。
寺院へ入れるか迷ったらどうする?
寺院の服装や行動について迷った場合は、自己判断でそのまま進まず、次の順番で確認してください。
- 入口の表示を見る
- 周囲の参拝者を見る
- 係員や寺院スタッフへ静かに尋ねる
- 適切な服装でなければ入場を見送る
予定していなかった寺院を偶然見つけた場合、服装が適切でなければ、その日は外から見るだけにしても問題ありません。
無理に入るより、後日適切な服装で改めて訪れる方が丁寧です。
旅行者が覚えておきたい3つのポイント

タイの寺院マナーを簡単にまとめると、次の3点です。
1.肩と膝を隠す
タンクトップ、細い肩ひもの服、極端に短いパンツなどは避けます。
2.静かに行動する
靴と帽子を外し、大声や通話を避け、仏像へ足の裏を向けません。
3.表示と係員の案内を優先する
撮影、入場、服装、寄付などの条件は寺院ごとに異なるため、現地のルールに従います。
まとめ:観光地でも寺院は信仰の場
今回は、プーケット観光警察が、旅行者へ寺院での服装マナーを改めて呼びかけた話を紹介しました。
基本となるのは、
肩を隠す。
膝を隠す。
本堂では靴と帽子を外す。
静かに行動する。
仏像へ足の裏を向けない。
という点です。
2026年は、7月29日がアサラハブーチャ、7月30日がカオパンサーでした。
この時期には寺院で説法、瞑想、ウィアンティアンなどが行われ、普段以上に厳かな雰囲気になります。
ただし、寺院への配慮は仏教祝日の期間だけに必要なものではありません。
プーケットの小さな寺院でも、バンコクの有名寺院でも、現地の人にとっては信仰の場所です。
完璧な参拝作法を覚える必要はありません。
服装を整える。
静かにする。
他の人を邪魔しない。
分からなければ、表示や係員へ確認する。
この基本を守れば、旅行者の敬意は十分に伝わります。
写真を撮ることより、その場にいる人への配慮を優先する。
それが、タイの寺院を気持ちよく訪れる最も大切なマナーです。
参考情報
出典:プーケット観光警察「寺院訪問時の服装に関する注意喚起」
出典:タイ国政府観光庁「Observing temple and sacred site etiquette while in Thailand」
出典:タイ政府広報局「2026年アサラハブーチャ・カオパンサー行事案内」
出典:王宮公式サイト「Grand Palace Dress Code」
出典:タイ国政府観光庁「ワット・プラケオ、ワット・パークナム観光案内」
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。
動画公開前です


