
海外旅行で現地の料理を食べていると、意外なところで「日本とは食べ方が違う」と感じることがあります。
その代表例の一つが、ご飯の茶碗を手に持つか、テーブルに置いたまま食べるかという違いです。
日本では飯碗を手に持つのが自然ですが、韓国ではご飯やスープの器をテーブルに置いたまま食べるのが一般的です。
さらにベトナムでは小さな飯碗と箸を使う食文化があり、タイではそもそも茶碗よりも皿にご飯を盛り、スプーンとフォークで食べるスタイルが広く見られます。
同じアジアの米食文化でも、食器や食べ方を比べるとかなり違います。
どれが正しいという話ではなく、それぞれの食文化の中で自然な食べ方が作られてきたと考えると分かりやすいでしょう。
動画でも解説しています
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。
韓国・日本・ベトナム・タイで異なる「ご飯の食べ方」や食器の使い方について、動画でも紹介しています。
記事とあわせて確認してみてください。
韓国では「茶碗を持ち上げない」のが基本

日本人が韓国料理を食べるとき、最初に戸惑いやすいのがご飯の器です。
日本では自然に茶碗を手に取りますが、韓国の一般的な食事作法では、ご飯やスープの器を手に持たず、テーブルに置いた状態で食べます。
韓国政府系のKorea.netでも、一般的なテーブルマナーとして「ご飯や汁物の器を持ち上げない」ことが紹介されています。
そのため、日本と同じ感覚で飯碗を持ち上げると、韓国では少し違った食べ方に見える場合があります。
韓国ではスプーンの出番が多い
韓国料理では箸だけでなく、スプーンが非常に重要です。
- ご飯を食べる
- スープを飲む
- 汁気のある料理を食べる
といった場面でスプーンを使います。
一方、キムチや肉、その他のおかずなどには箸を使うことが多く、スプーンと箸を料理によって使い分けるのが韓国の食卓の特徴です。
ステンレス製の箸や器が多く使われていることも、日本の食卓とはかなり違って見えるポイントです。
日本は「飯碗を手に持つ」のが自然
日本では韓国とは反対に、ご飯を食べるときは飯碗を手に持つのが一般的です。
日本政府観光局の食事マナー案内でも、飯碗を手に持って食べる方法が紹介されています。
逆に、茶碗をテーブルへ置いたまま顔を大きく近づけて食べると、一般的にはあまり上品ではない食べ方と受け取られることがあります。
日本
飯碗を手に持って箸で食べる。
韓国
ご飯・汁物の器は基本的にテーブルへ置いたまま食べる。
隣り合う国でも、ここまで基本動作が違うのは興味深いところです。
日本の「麺をすする」はどうなの?
日本の食文化でもう一つ海外から注目されやすいのが、ラーメン、そば、うどんなどをすすって食べることです。
日本では麺類をすすって食べることは一般的に許容されており、ラーメン店やそば店では珍しいことではありません。
ただし、
「音を立ててすすらなければマナー違反」というわけではありません。
静かに食べても問題ありません。
また、麺をすする文化のない国では大きな音が気になる人もいるため、海外では周囲の雰囲気を見ながら食べるのが無難でしょう。
ベトナムは日本に少し近い食卓
ベトナムの食事風景は、日本人にとって比較的馴染みやすい部分があります。
ベトナム政府観光サイトでも、一般的な食卓では各自に小さな飯碗と箸が用意されると紹介されています。
食卓の中央には、
- 肉料理
- 魚料理
- 野菜
- スープ
などが並び、それをみんなで取り分けながら食べる家庭料理のスタイルも一般的です。
箸を日常的に使うため、日本人にとって食器の扱い自体は比較的分かりやすいでしょう。
ベトナムでは大皿料理をみんなで囲む
ベトナムの食文化で特徴的なのが、料理を共有するスタイルです。
一人一皿の料理を最初から完全に分けるというより、複数の料理を食卓中央に並べ、各自の飯碗へ取りながら食事を楽しむことがよくあります。
家族や友人との食事では、料理を相手の器へ取り分ける行為がおもてなしとして行われることもあります。
旅行者として参加する場合は、難しく考えすぎず、周囲の食べ方を見ながら合わせれば十分です。
タイはそもそも「茶碗」が主役ではない

日本・韓国・ベトナムと比べると、タイは少し違います。
一般的なタイ料理では、ご飯を小さな茶碗に入れて持ちながら食べるというより、各自の皿にご飯を盛り、複数のおかずを少しずつ合わせて食べるスタイルがよく見られます。
タイ国政府観光庁も、ジャスミンライスを各自の皿へ盛り、共有料理を少量ずつ合わせて食べる食文化を紹介しています。
そして普段のタイ料理では、箸よりもスプーンとフォークの組み合わせを目にすることが多いでしょう。
タイではスプーンが主役、フォークは補助役
タイ料理を食べている現地の人を見ると、スプーンとフォークを非常に器用に使っています。
よく見られる使い方は、
スプーン
食べ物を口へ運ぶ主役。
フォーク
食べ物をスプーンへ寄せたり、扱いやすくしたりする補助役。
というスタイルです。
肉や魚などをスプーンとフォークで小さく分けながら食べている姿を見ることもあります。
日本のように何でも箸で食べる文化から見ると、最初は少し不思議に感じるかもしれません。
ただしタイでも箸は普通に登場する
「タイ人は箸を使わない」という意味ではありません。
麺料理など、中国文化の影響を受けた料理では箸が一般的に使われています。
つまりタイでは、料理によって、
- スプーン+フォーク
- 箸
- スプーンのみ
- 手
などを使い分けています。
イサーンの「カオニャオ」は手で食べる
タイの中でも特に面白いのが、東北部イサーン地方の食文化です。
イサーンでは、もち米のカオニャオが食事の重要な主食になっています。
カオニャオは竹製の容器「クラティップ」などに入れて提供されることがあり、手で適量を取り、小さくまとめながら食べるスタイルも広く知られています。
ソムタムやラープ、ガイヤーンなどと組み合わせて食べると、タイ東北部らしい食事を楽しめます。
同じタイでも、地域によって「ご飯の食べ方」そのものが変わるということです。
4カ国を比較するとこんなに違う
- 日本:飯碗を手に持ち、箸で食べるのが一般的
- 韓国:ご飯や汁物の器をテーブルに置き、スプーンと箸を使い分ける
- ベトナム:小さな飯碗と箸を使い、大皿料理を共有する食卓が一般的
- タイ:皿にご飯を盛り、スプーンとフォークを中心に食べるスタイルが多い
これだけを見ても、同じ米を主食とする国々でも食文化がかなり異なることが分かります。
「マナー違反」と怖がりすぎなくて大丈夫
海外旅行で現地のマナーを知ることは大切ですが、完璧に覚えなければ食事ができないわけではありません。
旅行者が知らずに茶碗を持ったり、フォークの使い方を少し間違えたりしたからといって、大きな問題になるケースは通常多くありません。
むしろ大切なのは、
- 周囲の人の食べ方を見る
- 現地の人の動きを自然に真似してみる
- 共有料理では周囲への配慮をする
- 分からなければ店員や現地の人に聞く
という姿勢でしょう。
現地の食文化を「間違えないようにするもの」ではなく、「違いを楽しむもの」と考えると旅行はさらに面白くなります。
マナーには家庭・世代・地域差もある
今回紹介した内容は、それぞれの国で広く見られる一般的な傾向です。
実際には同じ国でも、
- 家庭
- 地域
- 世代
- レストランの種類
- 食べている料理
によって食べ方は変わります。
そのため、「韓国人は全員こう食べる」「ベトナムでは絶対こうしなければならない」と断定するより、現地で一般的に見られる食べ方の一つとして理解するのが適切です。
まとめ:ご飯の食べ方を見ると文化の違いが分かる
日本・韓国・ベトナム・タイは、どの国も米を身近に食べる地域ですが、食器や食べ方には大きな違いがあります。
日本:飯碗を手に持つ
韓国:ご飯や汁物の器は置いたまま
ベトナム:小さな飯碗+箸+共有料理
タイ:ご飯を皿に盛り、スプーン+フォークが中心
さらにタイのイサーンでは、もち米を手でまとめて食べる文化もあります。
食器の形や料理、生活文化が違えば、自然と食事マナーも変わっていきます。
旅行先では完璧な作法を目指すより、周囲を見ながら現地の食文化そのものを楽しむのがおすすめです。
参考情報
- Korea.net「Table manners」
- Japan National Tourism Organization「Japanese Food Etiquette Guide」
- Vietnam Tourism「Vietnamese etiquette for travellers」
- Tourism Authority of Thailand「Sharing is giving in Thai food culture」
- Thailand Foundation「Thai Food / Secrets to Thai Cooking」
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。




