
ベトナム・ハノイの人気観光スポット「トレインストリート」で、一歩間違えれば大事故になりかねない出来事が起きました。
2026年8月7日午後、線路すれすれの場所で列車を撮影していた外国人女性観光客に列車の先頭部が接触し、持っていたスマートフォンが吹き飛ばされました。
幸い女性にけがはありませんでしたが、スマートフォンは破損。一歩間違えば重大な人身事故につながっていた可能性があります。
その後、警察は事故が起きたカフェを調査。
鉄道の安全区域内で客に飲食サービスを提供していたとして、店側に250万ドンの行政罰を科しました。
「列車がすぐ横を通る」という非日常的な光景が魅力の場所ですが、その距離の近さ自体が最大の危険でもあります。
動画でも解説しています
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。
ハノイのトレインストリートで起きた今回の列車接触事故について、事故の状況や店側への処分、旅行者が気をつけたいポイントを動画でも紹介しています。
記事とあわせて確認してみてください。
8月7日、列車撮影中の観光客に接触

事故が起きたのは、2026年8月7日午後1時30分ごろ。
場所はハノイ中心部のカムティエン(Khâm Thiên)側のトレインストリートです。
複数の現地報道によると、4人組の外国人観光客が列車の通過を撮影するためにこのエリアを訪れていました。
そのうち女性1人が線路のすぐ近くに座り、スマートフォンを手に持って列車を撮影。
列車が接近した際、先頭部が女性に接触し、その衝撃でスマートフォンが弾き飛ばされました。
スマートフォンは破損しましたが、女性本人にけがは確認されませんでした。
「スマホだけが列車に当たった」ではない
今回のニュースについて、一部では「伸ばしたスマートフォンが列車に当たり、端末だけが飛ばされた」という形で紹介されています。
しかし現地報道では、列車の先頭部が女性に接触し、その結果スマートフォンが飛ばされたとされています。
けが人が出なかったことは、かなり幸運だったと言える状況です。
列車との距離が数十センチ違えば、スマートフォンの破損だけでは済まなかった可能性があります。
観光客の国籍については報道に差も
旅行者について、VnExpressなどは中国人観光客4人組と報じています。
一方、事故直後のVietnamPlusの記事では、当局がまだ旅行者の身元や国籍を確認中としていました。
そのため本記事では、事故の中心部分については「外国人女性観光客」として記載しています。
店側には250万ドンの行政罰
事故後、ハノイの文廟・国子監地区を管轄する警察などが現場を調査しました。
その結果、事故が起きたカフェの店主に対して、
250万ドンの行政罰
が科されました。
日本円では為替によって変動しますが、おおむね1万数千円程度です。
処分理由は、単に「客が危険な撮影をしたから」ではありません。
鉄道交通の安全回廊内で商品・飲食サービスを提供していたことが違反とされました。
店には「安全区域に椅子やテーブルを置かないよう」警告
警察は店側に対し、今後、鉄道の安全区域内へテーブルや椅子を置いたり、客を座らせたりしないよう求めています。
今回の問題
旅行者が列車に近づきすぎた。
店側も安全回廊内で客を座らせていた。
結果として列車との接触事故が起きた。
客側だけ、あるいは店側だけの問題と単純化するより、双方が安全距離を守る必要があるケースです。
トレインストリートは正式な観光施設なの?
ハノイのトレインストリートは、世界的にも有名な観光スポットになっています。
しかし、テーマパークのアトラクションのように、安全基準を整えて正式に運営されている鉄道観光施設ではありません。
もともとは現役の鉄道路線沿いに住宅が密集する地域で、観光客が増えるにつれてカフェなどが増えていきました。
鉄道安全回廊内での営業について、ハノイ当局は以前から問題視しています。
「店が営業している=行政から正式に安全な観光施設として認可されている」と考えない方がいいでしょう。
なぜ閉鎖されても何度も復活する?
トレインストリートをめぐっては、過去にも何度も営業停止、バリケード設置、観光客への立ち入り制限などが行われています。
特に2019年には、安全上の問題から大規模な取り締まりが行われました。
それでも観光客の需要が非常に強く、SNSでも「ハノイで行きたい場所」として世界的に知られているため、営業を再開する店や別の区間を訪れる旅行者が後を絶ちません。
結果として、
- 当局が規制する
- しばらくすると営業・観光客が戻る
- 危険行為が問題になる
- 再び警察が取り締まる
という状態が繰り返されています。
事故後も観光客は線路際へ
今回の事故から約1週間後の8月13日、Dân tríが現地を取材しています。
現場では警察が店舗を巡回して安全ルールを守るよう注意していた一方、依然として多くの観光客が線路の近くで列車を待ち、写真や動画を撮影していました。
列車と観光客の距離が約50センチ程度になる場面も確認されています。
事故がニュースになった後も、危険な撮影が完全になくなったわけではありません。
旅行者が守りたいトレインストリートの安全ルール

- 列車が来たら線路から十分に離れる
- スマホや自撮り棒を列車側へ突き出さない
- 店員や警察から移動を指示されたら従う
- バリケードや立入禁止区域へ入らない
- 列車を背景に線路中央で長時間撮影しない
- 画面だけを見ず、列車との実際の距離を確認する
特にスマートフォンで動画を撮っていると、画面の構図に意識が集中し、現実の列車との距離感を見失うことがあります。
「もっと迫力のある映像を撮りたい」と数十センチ近づくことが、重大事故につながります。
トレインストリートの列車自体を減らす計画も
実は2026年、ハノイ市とベトナム建設省は、トレインストリートを含む市中心部の鉄道運行を大きく見直す方向で動いています。
当初は、ハノイ駅~ロンビエン駅~ザーラム駅の区間について、旅客列車を通さない案も提示されました。
その後の調整では、
- 貨物列車を同区間から外す
- 旅客列車の運行本数を減らす
- 観光列車の本数を減らす
といった方向が示されています。
つまり今後、現在のように列車が目の前を通るトレインストリートの風景そのものが変わる可能性もあります。
ただし、2026年9月時点で「トレインストリートを通る列車がすべて廃止された」という状況ではありません。
ロンビエン橋も現役の鉄道橋
ハノイで鉄道と街並みを一緒に楽しめる場所として、もう一つ有名なのがロンビエン橋です。
紅河に架かる歴史的な鉄橋で、現在も鉄道が運行しています。
橋の中央部を列車が走り、その両側には二輪車、自転車、歩行者などが通行するスペースがあります。
写真スポットとして人気がありますが、こちらも現役の交通インフラです。
線路へ入って列車との写真を撮るような行為は避けてください。
ロンビエン橋は2026年5月28日に通行再開
ロンビエン橋では2026年春、大規模な修繕工事が行われました。
3月28日から5月27日まで約60日間、二輪車、自転車、歩行者などの通行を停止。
修繕完了後の5月28日午前0時から通常の通行が再開されています。
現在も歴史的建造物であると同時に、実際に交通や鉄道に使われている橋です。
「ロンビエン橋はエッフェルが設計」は誤り
ロンビエン橋についてよく聞くのが、
「エッフェル塔を手掛けたギュスターヴ・エッフェルが設計した」
という話です。
しかしVietnamPlusは、この情報は誤りだと明確に説明しています。
ロンビエン橋は1898年から1902年にかけて、フランスのDaydé & Pilléによって建設されました。
フランス統治時代の鉄骨建築であるためエッフェル塔を連想しやすく、長年この説が広まったとみられます。
ロンビエン橋=エッフェル設計という説明は、旅行記事などで使わない方が正確です。
【追加情報】ハノイは鉄道と観光のあり方そのものを見直し中
今回の事故は、単に一人の観光客が危険な撮影をしたというだけのニュースではありません。
ハノイでは2026年に入り、中心部を通る国鉄路線そのものを再編し、歴史地区やロンビエン橋周辺を都市・観光空間として再整備する計画が進められています。
トレインストリートについても、
観光資源として残すのか
列車の運行を減らして安全性を高めるのか
鉄道そのものを別ルートへ移して再開発するのか
という大きな転換点にあります。
今後の鉄道再編によっては、現在世界的に知られている「列車がカフェのすぐ横を通過する光景」が将来見られなくなる可能性もあります。
まとめ:スマホより自分の安全を優先
2026年8月7日、ハノイ・カムティエン側のトレインストリートで、列車を撮影していた外国人女性観光客が列車と接触し、スマートフォンが吹き飛ばされる事故がありました。
女性にけがはありませんでしたが、店側には鉄道安全回廊内で営業していたとして250万ドンの行政罰が科されました。
今回のポイント
8月7日に列車と外国人女性観光客が接触。
スマートフォンが吹き飛び破損したが、女性にけがはなし。
カフェ側には250万ドンの行政罰。
鉄道安全回廊内に客を座らせる営業は処分対象。
事故後もトレインストリートには多くの旅行者が訪れている。
ハノイでは中心部を走る列車そのものを減らす計画も進んでいる。
トレインストリートはハノイならではの非常に印象的な観光体験です。
だからこそ、旅行者側もルールを守り、この場所そのものが過度な規制や閉鎖に追い込まれないよう配慮することが重要でしょう。
迫力のある1枚を撮ることより、列車から十分な距離を取り、安全に旅行を終えることを優先してください。
参考情報
- VnExpress「Khách nước ngoài bị tàu va khi ngồi sát ‘phố đường tàu’ ở Hà Nội」
- Dân trí「Nữ du khách bị tàu hỏa hất văng điện thoại ở phố cà phê đường tàu Hà Nội」
- Dân trí「Vụ nữ du khách bị tàu hất điện thoại ở Hà Nội: Phạt chủ quán cà phê」
- Dân trí「Sau sự cố du khách bị đầu tàu va trúng, phố đường tàu vẫn đông khách」
- VietnamPlus「Hanoi to scale back central rail services, divert freight trains from inner city」
- VietnamNet「Hà Nội chốt ngày phương tiện được lưu thông trở lại trên cầu Long Biên」
- VietnamPlus「Quận Long Biên: Kỳ diệu vùng đất sầm uất trù phú ‘bên kia cầu’」
この記事は、当YouTubeセカンドチャンネル動画をもとにしています。




